見ず知らずの子供の死に顔

旦那の仕事の手伝いで、町の図書館へ資料を探しに出掛けた。

私の目に、目的外なのだけど、『むかしの子供』とかなんとかというタイトルの、モノクロの写真集の背表紙が目に入り、気まぐれに手にし、どことなく、自然に開いたページには、着物を着た、可愛い女の子の寝ている姿があった。

両手を胸の位置で組み、とっても可愛らしい寝顔。

おかっぱ頭で、可愛い女の子。

そして、その写真のタイトルを見て、私は心臓が狂ったように鼓動を打ち始めてしまい、どうしていいのかが分からなくなった。

そう、女の子は死んでいるのだ。

棺の中で永遠の眠りにつき、微笑んでいるような死に顔だったのだ。

タイトルを見て、亡くなった女児の写真だと気が付き、ショックでそのタイトルすら思い出せなくなってしまった。

ただ、医師の診断ミスから脳性麻痺の障害を持ち、肺炎で亡くなった2歳の女児だということと、死んだなんておもえないくらいに、優しい笑顔の死に顔だけが忘れられない。