NYテロ5年目の真実
「あなたたちのパパは、天使と一緒に最期をむかえたのよ」
と、子供たちに話したと、崩壊していくビルの中で、身体の弱い旦那さんに付き添いつづけてくれた男性のことを話していた。
琴子も天使。
琴子もきっと、誰かのために私達のお腹に宿ってくれて、そして役目を果し、天国に還っていったんだろうな。
NYテロの起きた2001年には、初めての妊娠(2002年5月、8週で流産)もまだしたことのないときで、それから今日までの5年の間に、流産と琴子の死と、そしてリンズの誕生があった。
5年という月日の中で、私達夫婦の元には3つの命がきてくれた。
その内の2つの命は、“死”であった。
たった2つの死でも辛くて苦しくて、いまだに心が脆いままだというのに、あのテロ以降、一体どれだけの命が“死”となってしまったのか…信じられない、想像が追いつけない。
琴子の命一つでもこんなにも苦しいのに、戦争は一瞬でもの凄い数の命を奪う。
私の知人が言う−「日本は首都を広島に移し、世界平和を訴えていく義務がある!」
本当にその通りなのだとおもう。
私達の生活が多少不便になろうとも。