年末年始だなぁ…

一応、琴子が天使であるということは、仏教だとかクリスチャンだとかって関係ない世界にいるのだろうからとおもうと、自然とクリスマスは琴子が忙しいのかと、ちょっとだけクリスマスが気になる。

でも、本当にちょっとだけ気になるだけで、実際にはあんまり好きではない。

前から特別な日ともおもっていなかったし、友達と集まることが楽しいだけで、別にクリスマスでもなくてもいい内容だったり…

でも、それでも今では琴子が忙しくサンタクロースのお手伝いでもしているのかもとかっておもうと、毛嫌いすることはないのだけど、それが過ぎると同時にやってくる“年末年始”はすっかり苦手になった。

2003年の年末以来、新しい年がくるということへの期待感なんて全くなくなったし、2003年の年末は琴子の一年が終わってしまうということで、とにかくそれが寂しかったし、私だけでも2003年のままでいたかった。

それでも当然、2004年がきて、子供が死んだ我が家へ平然と年賀状が何枚かやってきて、これが少しでも生きた子なら、こんなことはされないのだろうなぁと悔しかったり。

勿論、2003年の12月には喪中の挨拶も送ってあった。

それでも、人々は“死産”だと“人の死”とはおもわないらしい。


2004年の正月は、旦那と二人っきりで過ごしていたのだけど、テレビも見る気には全くなれないし、だからといって、二人で話すことはないというか、琴子の話をしたら泣いてばかりだから、結局なんとなく避けていて、元旦から営業しているデパートに行ったのだけど、これがまた寂しさを増すことばかりで、すぐに帰ってきた。

どちらの両親にも会う気にはなれないから、とにかく二人で本を読んだりとかしていたような思い出がある。


正月を過ぎた頃に、私の実母から荷物が届いた。

食料と、『琴子ちゃんへ』と書かれたお年玉が入っていて、確か祖父母それぞれから1000円ずつだったとおもう、それを見た途端に、玄関で泣いてしまった。

あぁ、私は自分の親にも不孝をしたんだと思い知らされたような気がした。


今年はまだもう少しある。

今年は琴子が戸籍に載ったという喜びがあったから、私たち家族にとっては、2003年のもうひとつの年末を迎えられるような気がしてもいるのだけど、戸籍に載せられなくても大事に想っていた命でもあるから、なんか妙に複雑。



琴子は天国で何しているのかなぁ…