日本助産師会専務理事の岡本さんへのエール

朝日新聞の記事からの続きともなります。

岡本専務理事は、私が最初に助産師会に出向いた当時の事務局長です。
お会いしたことがあります。
手紙も当時は頂いたり、電話でも最初の頃はとっても優しい口調でお話くださっていました。

ここからは私信です。
私信ですから、岡本さん以外の方からのコメントはくださりませんよう、皆さんに宜しくお願い申し上げます。
今回のこの記事に対してくださるコメントは、内容問わず削除させて頂きます。

助産師会の岡本喜代子専務理事は「ホメオパシーを全面的には否定しないが、ビタミンK2の使用や予防接種を否定するなどの行為は問題があり、対応に苦慮している」と話している。

…岡本さん、私がお会いした日にも、逆子を扱うのは危険だから助産師は受けてはいけないのですと言ってくれていたけど、その後、私が助産師会の姿勢に疑問を抱き、後に結局裁判で助産師の過失を問うこととしたときに、途端に態度を変えられたことを私は今でも忘れられません。
当時、結局は裁判を避けたかっただけだったのかと、主人と一緒に落胆した日を今でも鮮明に思い出します。
助産師向けの雑誌に私のことを書かれた文末に添えられた「産む側も勉強を」、それをコピーして記事にしましたと送ってくださった日、琴子がもう一度死んだかのような気持ちになったんですよ。
でもお蔭で、私は今でも忘れずにこうやって産む側の勉強をさせて頂いています。


岡本さん個人を責めることではないかもしれないけど、前回の助産師会としての声明文からも、どうも
『私は駄目だと言っているのに…』
という感じがあって、私は残念でなりません。
岡本さん、岡本さんもホメオパシーを推奨する講演会を開いていたこと、ご存知でしたよね?
立場らからして知らないわけないとおもうんですけど、もしも本当に“対応に苦慮している”というのであるならば、何故そう感じたときからすぐにその意見を公にし、警告を発してくれなかったんですか?
全部後回し、犠牲者の出た後ではないですか!

神谷助産師が自分の請け負えない地域にまで助産院や自宅出産を薦める新聞掲載をしていることに問題を感じると電話で言った時、「信頼出来る助産師だ」と庇っていらした。
助産師個人を信頼出来るか否かは個人間の、それも会を通じた関係上でのことで、問題は母子の安全性をどこまで優先した指導を現場でしているかという、助産師としての本質の是非です。
私には今でも、自分では請け負えない地域に出てまで宣伝するという行為は、非常に無責任な行為だとおもいます。
勿論、その依頼をした新聞社も、無責任な情報を発信したとおもいます。

私が琴子を亡くした当時、カルテがないことに問題を感じると、カルテを書くことを義務化するべきではと話したときに、確かに岡本さんは
「そうしたいとおもっている」
と悩んでいることもお話くださりました。
でも、今でも自宅出産等で事故に遭われたお母さんから『証拠がないから難しい』=カルテがないらしいと話を聞きます。
何かを変えようとしているのかもしれないけど、何も変わっていない、むしろ悪化していると感じてしまうのは、助産院や自宅出産の宣伝ばかりに力を入れ、問題の解決、改善が置き去りになっているとしか見えないからです。

岡本さんが一時は助産師会から遠退くようになったと聞いた記憶があるのですが、こうやってまた岡本さんのお名前を目にするようになり、私はとっても複雑な心境です。

私が弁護士に見せたガイドラインに、逆子を扱わないように書くために相当の対立があったのだろう、逆子を扱いたいという会員に対してせめてということで書かれた文章だと読んで分かると言われました。
岡本さんは私たちに会ったときから、逆子は扱ってはいけないと仰っていたけど、隣に居た年配の助産師の方は
「逆子の方が簡単なのは事実だ」
と言ってしまったから、それを打ち消すかのように「そんなことはないんです!」と急いで言われた岡本さんを知っているので、岡本さんの苦労も分かっているつもりです。
でも、それらは全て、母子の安全のために向かってくださらないと、私にはなんの意味もないんです。
助産師を庇うためでは正しくないとおもうんです。

今回、VK2訴訟のお蔭で、新聞社が、それも大きな新聞社が何度も記事を書いています。
訴訟により、VK2の義務化は目指せるようになるだろうし、新聞の影響力により重要性は一気に浸透してくれるとおもいます。
でも、問題はホメオパシーを扱ったことだけではないはずです。
他にも民間療法を好む助産師も多くいますし、今回岡本さんも発せられているけど、医療を批判している姿勢が強く見受けられる、それらが問題の根本だとおもいます。
お産においては医師よりも上に立ちたいとおもわれているかのような助産師の言葉も多くあります。
このような意識が、自分達の立場・権利の主張にばかり向かってしまい、母子の安全が軽く扱われていること、その問題がありますよね?

ある医師の方が今回のVK2訴訟について、にメールで仰ってくださいました
一人の赤ちゃんの犠牲で、一つしか変わらないのはもうたくさんです
という言葉を、私は岡本さんに伝えたいんです。

岡本さん、私は岡本さんが助産師会の上に立っている限り、必ず岡本さんに期待します。
だって、「改善します」と仰ったから。
「庇う」のではなく、「改善します」と仰ったんです。


きっと私は相変わらず生意気ですね、すみません。
でも、どうか宜しくお願いいたします。