『赤ちゃんをリスクに曝す権利はない』

先日の当ブログ「低リスク妊婦といえども、ノーリスクなわけではない」でもご協力くださったドクターサイコさんが、『The Lancet』という雑誌に掲載されていた記事「Home birth」 (当ブログにaさんがコメントしてくださっていました)の要約を翻訳してくださいました。
ドクターサイコさん、aさん、有難うございます。

Home birth—proceed with caution
The Lancet, Volume 376, Issue 9738, Page 303, 31 July 2010


病院以外で産みたいという要求が増加し、先進諸国でも自宅出産が増えている。オランダでは1/3の女性が自宅出産で、英国では3%、米国では1%である。
米国では自宅出産が増加している理由の一つは病院出産での帝王切開率が年々増加していることにある(現在約1/3が帝王切開)。これは米国の医師や病院が訴訟を避けるためにリスクのある経膣分娩をしたがらないためである。一方で米国産婦人科学会(ACOG)は帝王切開ガイドラインを発表し女性の意志を尊重するよう強調している。
リスクの低い母体にとって自宅出産は安全なように見えるが、自宅出産ではトラブルが生じたケースでは病院出産に切り替わるなど、データの解釈には注意が必要。オランダのデータは自宅分娩の予定であった初産婦の最大40%が病院に移送されていることを示唆している。
専門機関の声明も矛盾がある。オーストラリア保健省や英国王立助産士協会などは低リスク妊婦の自宅出産を支援しているがACOGは安全上の懸念と科学的根拠の無さから自宅出産を特に薦めていない。ACOGは自宅出産は健康な赤ちゃんを産むという目的より産むプロセスへの趣味性を重視することを意味すると言っている。
最新のメタ解析では自宅出産は病院出産より新生児にとって有害であるということを示した。自宅出産の主なリスク要因は助産士の技量不足と病院へのアクセスの欠如である。
女性には産む場所や方法を選ぶ権利はあるが赤ちゃんをリスクに曝す権利はない

※強調しているのは私、琴子の母です(正直、全文強調したい)

併せてこちらも是非>「低リスク妊婦といえども、ノーリスクなわけではない」
助産院・自宅出産を考えている方はこれら問題点の指摘を無視してはいけない、簡単に流してはいけないとおもいます。

  • ACOGは自宅出産は健康な赤ちゃんを産むという目的より産むプロセスへの趣味性を重視することを意味すると言っている
  • 最新のメタ解析では自宅出産は病院出産より新生児にとって有害であるということを示した
  • 自宅出産の主なリスク要因は助産士の技量不足と病院へのアクセスの欠如である

に激しく同感し、そして、私は出産に医療介入を拒む心理を、その結果で子供が死ぬかもしれないことを「自然淘汰」という言葉で誤魔化すことも胎児虐待だとおもっていますので、

  • 女性には産む場所や方法を選ぶ権利はあるが赤ちゃんをリスクに曝す権利はない

この言葉を多くの方に知って欲しいです。