日本産婦人科医会が「開業助産所」での局麻使用・縫合に反対の意思表示、抗議文

先日の当ブログ日本産婦人科医会が「開業助産所」での局麻使用・縫合に反対の意思表示で書きました通り、詳細です。
知り合いの産科医の方が送ってくださったものを、ここで紹介させていただきます、○さん、有難うございます。

最初に、私と同じように医療の専門職ではないので組織の在り方などが全く分からないという方に、私も○さんから教えてもらって知ったことをそのままで伝えさせていただきますが、今回見せて頂いた資料は「日本産婦人科医会」と「日本産科婦人科学会」だと、前者の「医会」の方になります。そして、「医会」は開業医、「学会」は勤務医中心ということです。
嘱託医となられるのは開業医の方が大半のため、今回、助産師の局所麻酔使用と縫合について意見が出されたようです。


まず、日産婦医会報23年7月号より、4ページと5ページです。定時総会(各県の代表者が集まり、議論する場)の内容の紹介記事で、この中で「7.代議員提出議題(5件)」で始まる項目の中に、「②医会の事業内容や運営の見直しで会費の見直しをお願いする」から始まる議題です。中林正雄代議員(東京都)のご発言が、今回の抗議文(後出の8月号掲載)へのきっかけとなられたようです。


※註;後に続く久松和寛代議員のK2シロップについては、後日また改めます

 医会は、妊婦に無用の混乱を与えないように厚労省医政局長の協力依頼に基づき、会員に嘱託医と嘱託医療機関の嘱託をお願いしておりますが、この姿勢を無視して、会陰裂傷縫合の研修会等を継続するのであれば、医会としては、断固とした立場で関係諸団体と交渉するつもりです。

ど素人の私が口をはさむのもなんですが、これ以前に、“何かあったら搬送する”としながら「医療を否定している姿勢」に既に問題があるとおもうのですが、医療を安易におもう姿勢にさすがに堪忍袋の緒が切れたという感じなのでしょうか。

次が本題の抗議文です。
同誌の8月号です。
【「助産所における嘱託医の包括指示による医療行為」について(抗議)】

「嘱託医」という存在、在り方を開業助産師自身が私たち産む側にどう説明しているかも、凄く悪い言い方をあえてしますが、腐った問題とおもわれつつも、皆さんにもっと考えてほしいと願うところです。虎の威を借る狐とでも言いますか、「医師に認められた存在・行為」とおもわせるような説明があると私はおもっています。こうやって暴走するのはごく一部の開業助産師だとしても、その暴走する助産師の方が宣伝力、営業力に長け、ネットワークを駆使して助産院や自宅出産を“素晴らしいお産”のようにして成長させてしまったとおもいます。そして、決して個人としては暴走していなくても、ひっそりとこの暴走の傘下に入っている形の助産師の方たちも、私はずるいとおもって見ています。もしも「助産師が局所麻酔や縫合をしようとするのは正しくない」とおもわれる開業助産師の方がいらっしゃるのなら、同様にして抗議文を出したり、意思表示を明確にされるべきではないでしょうか。

同じく8月号に、関連内容として【羅針盤】というコラムで、「チーム医療推進に特定看護師(仮称)は必要か」と題されて意見が出されています。

この内容と前後しますが、先出の7月号の5ページのK2シロップの後に、看護師の内診問題についての意見もありました。この問題にも、助産師の方たちの存在、在り方が大きく関わっていることだとおもいます。以前にある開業医の方が、「助産師の方は病院で勤務しようとしてくれない」と仰っていたことがあって(ブログ外のことですが、ブログで何度かこのご意見を私が表記させていただいたことはあります)、「内診問題によって、新たに産院を開業するのは困難」ということでした。そのような当時の流れに対し、助産師教育をされている助産師の方が「潜在する助産師資格を持つ方は、今こそ病院へ戻るべき」と、これまたブログ外ででしたが、頼もしいご発言をされていました。後にこの助産師教育の助産師の方は、今回の抗議文の対象となる縫合などを推奨している発言もされていました。

今回出された抗議文がもっと産む側にも伝わっていってくれて、助産院や自宅出産に何を求めているのかを見直し、考え直すきっかけにもして頂けたらとおもっております。