どうしたいのか

今、フジテレビ『エチカの鏡』という番組で、『自然分娩の素晴らしさ』と番組を進行しています。
先月のTBSの番組に続くようで、一体どうしたいんでしょうか、日本のお産がこれからもっともっとイベント化されていくことを望んでいる?
何かマスコミ全体に対して、相当の不安を抱きます。
今まで以上に。
なんの力でこうなっているの?

逆子も扱っている?−あぁ、医院で医師がいるからOKなわけですね。
そこに医師が『死ぬのも自然のことだから仕方ない』というようなことを言って妊婦さんを励ます(?)のですが、テレビでこれを全国版で…もう怖いです。

これから“自然出産”の場面を紹介するそうで…また臍の緒を父親が切るのかなぁ…

最近、ある開業産科医の方が2月一杯で分娩の扱いを中止するということを知りました。
その理由の一つには、看護師の内診問題により人員確保の難しさが増したというようなことがありました。
私のような医療従事者でもない者でさえ予想がつきます、現場では色々な問題が絡み合っています。
それらを一切無視して、自分達のしたいことだけが“素晴らしい”としていることは、本当に素晴らしいことなのでしょうか。


あぁ、番組内では遂に臍の緒をお兄ちゃんが切ったとまで…

感動したいために産むのかな…
テレビのためにそう言ってしまったのかもしれないけど、そんな言葉でお産を美化してしまわないで欲しい。
感動しないとかじゃなくて、まるでお産は自分を満足させるためのものなのかとおもえてならない。

胎教も何もかも、それらはついでのことであって、一番大事なのは無事に生まれてくれること。
それがないと、全ては泡となる−まるでシャボン玉のようだってこと。
あの歌は、子どもが亡くなったときに作られた歌だってこと。
江戸時代に子どもがツルツル生まれ、そして死んでいたってこと。
マスコミがイベント化に協力することに、一体、どんな利益があるのでしょうか。
誰が望んでいるの?
何を企んでいるの?
きっとマスコミも、「大丈夫、何かあったら病院に搬送されて、無事になる」程度の感覚しかないのだろうな。
搬送がまともにされていない現実もあるのに。

悲しいですね、お産はイベントとして扱われているばかりで…