夢ばかり描く日々

現代に生きる私たちはついつい、死ぬなんていうのはよほどのことだって想いがちだけど、お産に限らず、いつだって私たちはすぐに死んでしまうかもしれない可能性と共に生きている。
妊娠して安定期というものに入ったら、あとは臨月、出産日を待つばかり…もしかしたら難産にはなるのかな、そうでなければいいなぁくらいの心配で、後は折角だから今のうちに旅行とか、遊べるうちに遊んじゃえ! っていう感覚の妊婦さんの方が圧倒的に多いはず。
もしくは、「昔のお産」に憧れて、無理してたくさん歩いたり、急に食事を偏らせたり…

妊娠して、ある程度の時期が来たら後は生まれる日を待つだけ。
生まれる日が来たら、その後からは育児が始まるんだな、家族が増えるんだな…って、そればっかり考えて、生まれる前から増える家族に足りないものを買ったり…

琴子が生まれる前に、夫婦でぬいぐるみを一つずつ作って待っていた。
それは棺おけに入れた。
まさか棺おけに入れることになるなんておもわなくて、作っている時は夫婦でお互いのものを笑ったりして、とにかく楽しかった。
琴子の死装束は、父親が琴子の生まれるのを楽しみにして編んだチョッキ。
琴子が半年になる冬の頃にとおもって編んでいたのに、まさか死んで、棺おけに入れるときに袖を通してやるなんておもってもいなかった。
誰だって、子どもが死ぬとおもって用意をするはずはない。
だからだろう、昔は生まれる前から用意をすることを否定していた。
まずは元気に生むこと−これがどれほど難しいことだったのかを知らされるばかり。

明日は入り盆ですね。
ご先祖様に預けっぱなしの琴子ですが、いつも一緒にいるとわかっている琴子ですが、お客様として扱われることにちょっと嬉しいかな、照れているかな、もう6歳になるからきちんと座っているかな、そこにいるかなっておもうばかりです。
琴子が座ってくれるよう、可愛い座布団を用意します。

助産所からの搬送という事実

コメント欄でふぃっしゅさんから教えていただき、早速拝見しました。
ロハス・メディカルブログ 2009年8月2日記事
ニュース〜医療の今がわかる 「まず助産所の嘱託医との連携を」−スーパー総合、助産所からの搬送ケース
2頁あります

上記ブログより
日本産科婦人科医会の報告書によると、2005年にあった助産所からの搬送301件(うち54件は新生児搬送)の中で、救命処置が必要だったなどの重傷ケースが29.9%あった。妊婦が死亡したり後遺症が残ったりする状態になったのは9.7%。新生児搬送で救命処置が必要だったのは26.0%あり、死亡や後遺症が残る状態などになったのは26.4%だった。嘱託医を介さない搬送が約8割を占めた。
前から助産所からの搬送は多いって聞いていたし、具体的な数字も同じように聞くのですが、どうでしょうか、本当に多いですよね…


嘱託医を介さない搬送が約8割を占めた−嘱託医がいるから大丈夫っていう常套句がありますが、嘱託医では間に合わない状態まで搬送をしないでいてしまったという結果も少なくはないようにおもいます。
実際に、嘱託医に対しては、開業の義務のためだけに頭下げて、普段は医療を批判する姿勢がある助産所の話も多く聞きます。
嘱託医を介さない理由は色々とあるとおもうのですが、嘱託医がいるから安全だというような説明が多くなされている中、2頁目
[山村節子委員(日本助産師会東京都支部支部長)]
8の症例に関してですけども、搬送までの時間帯が55分程度で一番長いんですね。しかも直近に入っているにもかかわらず長くかかっているということ。すみません、私も把握していなかったんですけども、よく会員から言われるのは、総合周産期に電話すると、よく『嘱託医、または嘱託医療機関からの方もう一回電話を下さい』と言われるという、大変無駄なことをやらされていて時間がかなりかかっているということがあるのですが、この事例に関してはどうだったのかということです」

という事実を助産所がどれだけ妊婦の方へ説明されているかという疑問です。

嘱託医では間に合わないという事態がいきなりくるということもあるかとおもうのですが、なるべく嘱託医にはとか、なるべく医療にはという否定的な気持ちがあって搬送しないようにしているということが、最悪の結果もしくはそれに近い結果を招いているということはないのでしょうか。

お産は何処で産もうと、100%安全になるということはありません。
子供の死や母親の死がゼロになることもありません。
助産所だけが危険だとはおもわないし、言ってもいません。
でも、助産所や自宅だからこその危険性はどこかで、あえてその危険性は必ず語られるべきだとおもいます。

マスコミは助産所を美化することばかりです。
それを見て助産所に行った人は、理想を持って行きますから、疑いもなく聞こえの良い説明ばかりを鵜呑みにし、こういう事実があるということを知らないままにいます。
美化されている上に密室の行為…「産み方が下手だった」「あなたの息み方が悪かった」といわれてしまったのは、私だけではないのです。
他の方からも、悪かった結果に対して助産師から言われたと聞いています。

こういう記事がきっかけになって、自己責任という蓋をされた事実がもっと公になり、助産所分娩を選択する方にとって情報として届くことを祈っております。

いつもお世話になっています産科医のharuさんのブログ
産婦人科医はがんばっている。
の7月16日の記事『甘くみすぎたお産』を読んで考えます。



助産院で出産予定の方が予定日を過ぎ、子宮口もなかなか開かないということで、それまで出産をする予定だった助産院が健診でもお世話になっていたharuさんのところへ産婦を再紹介、その一番の理由が「お産を甘く見ている」というようなことで…詳細はharuさんの記事を是非。

私が問題に感じたのは、予定日を過ぎてからの産婦をいきなり受けた助産院です。
奈良の助産院です。
41週の産婦をいきなり受ける助産院。
これを良しとするならば、昨今の社会問題、駆け込み出産にも貢献するべきです。
それまで健診にきちんと行っていたからというだけでも良しということでしょうか。

私が琴子を出産する前に、逆子だけど引き受けてくれる助産師がいると聞き、連絡したのは後期入ってからでした。
最初からみていてもらったら琴子は生きていた…とはちっともおもいません。
41週の方を、その前に世話になっていた助産院から病院へ行くように言われた産婦の方を受け入れる助産院に問題を感じています。

結果的にはお子さんは無事に後遺症もなくと、「良かったね」と言えることで終わっていますが、このままで良いとはおもえませんでした。

41週でお産を引き受けられる助産院て、まともなんでしょうか。
42週までは安心していて構わないのでしょうか…
以前に臨月過ぎて待っていたら、胎便を胎児ちゃんが食べてしまい、亡くなってしまったという天使ママと出会いました。
滅多にないことだとしても、奈良の助産院の受け入れがまともにはおもえないんです。