本当に素晴らしいのは…

私の大嫌いな言葉は『自分の子供だから可愛い』。

この言葉、大ッ嫌い。

こういうことを言う人に聞きたいのが、

「じゃぁ親の貴方達が早くに死んでしまったとき、孤児となった貴方達の子供のことは、他人には可愛がれないってことになるけど、構わない?」。


前にテレビのドキュメンタリー番組で、身体の理由で血の繋がった子供は授かれないと医者に宣告され、その後、確か3人のお子さんと養子縁組したという、ある家族の生活を拝見した。

養子縁組をする度に、親戚や友人知人を集めて、新しい家族の誕生を祝う会を必ず催し、先に家族となっているお兄ちゃんやお姉ちゃんも凄く喜んでいた。

この番組を見たのは、琴子を亡くしてからのこと。

私には、琴子をお嫁(もしくは養子)に出したとおもっている心の一部があるので、琴子がこういうおうちに迎えられると良いなぁと、それ以来、ずっとそう祈っている。


経膣分娩でも子供を虐待して殺してしまう親はいる。

帝王切開でも子供を大事に育てて、社会に貢献している親もいる。

自分の子でも、簡単に殺してしまう親もいる。

他人の子でも、大事に育てて、見返りを求めない親もいる。


私の中学時代の同級生で、父親に近親相姦されていた女性がいる。

お姉さんは18歳で父親の子を産んでいる。

父親は酒乱で働かず、母親が仕事で出掛けているから誰も守れなかったらしい。

実はお姉さんと妹(同級生)の間には長男がいる。

だけど酒乱で暴れる父親に毎日のように追い出されていた長男には、家の中で何が起こっていたのかなんて知らなかったのかもしれない。

知っていても、自分のことを守るのが精一杯で、何もできなかったのかもしれない。


産み方にこだわったために子供を死なせてしまった…琴子への懺悔が止む日はこないとおもう。

でも、懺悔と共に一生止むことがないもう一つの心…もし本当に生まれ変わりがあって、来世があるのなら、琴子のことを大事にしてくれる家に行って欲しい。

生まれ方なんてどうだっていいから、血だって繋がっていなくたっていいから。

とにかく琴子のことをお願いしますと、もしそのお宅がわかれば、挨拶に行きたい。


琴子が素晴らしい日々を歩みますように…