冬の訪れと思い出
次の裁判に向けて、今日は日程調整に追われた。
裁判の日程はとっくに決まっていたわけで、それを日付だけで覚えてしまっていた私は、曜日でうっかり予定を入れてしまったのだ。
たいした予定ではないのだが、数名の人が集うことなので、お詫びも兼ねて、数件のお宅に連絡をした。
連絡をすると、ついでの話で盛り上がる。
冬野菜がどうだの、灯油が高くて部屋が寒いだの、お正月は帰省するだのなんだの…あぁ、もう12月なんだなぁ、年末なんだなぁとしみじみと感じた。
提訴したのが8月の末。
早いのかな、遅いのかな、提訴した時は半袖姿だったのに、今日は3枚も重ね着していた。
琴子を見送った年の今頃は何をしていただろうか。
冬野菜を気にしたこともないだろうし、灯油がいくらかだったかなんて気にもしなかったし(これは今年だからなんだけどね)、お正月にはどっちの実家にも帰省する気にはなれずにいた頃。
あぁ、人に誘われて、温泉に行った頃かな?
琴子の臍の緒を鞄に入れて行った温泉。
あのときは裁判を旦那が頑なに拒んでいて、私はどっちつかずの心だったんだよな。
どの季節も辛いです。
心の中に、子供を亡くした痕がそこ等じゅうにあります。
辛いことなんだけど、琴子の思い出って辛いことばかりなんだけど、愛しいです。