アヴェ・マリア
前にももしかしたら書いたかもしれないけど、琴子との思い出の曲。
妊娠中、色々なことが楽しみで、普段は全く聴かなかったクラッシック、一枚のCDを買って、お腹の中の琴子に毎晩、聴かせていた『アベェ・マリア』。
この曲が最初の1曲で、その後に色々な曲が続いてるのだけど、最初のこの曲で眠れてしまうので、とても聞き心地の良い、琴子も大好きなCDだった。
もしかしたら、琴子はお腹の中で、最後までしっかりと聴いていたのかもしれない。
このCDは棺の中に入れた。
燃してはいけないものなのかもしれないけど、どうしても琴子に持たせたくて、そして、手離したくなくてたまらなかったけど、琴子が天国でも聴けるようにと、棺に入れた。
今日、私の仕事でネット上で配信されている音源選びをしていたら、アヴェ・マリアの文字があった。
琴子を見送ってから、あまり目にも耳にもしていなかった。
ちょっと勇気がいったけど、聴いてみた。
あぁ、琴子の曲だなぁって、切なく、なんとなく初恋を思い出すような、そんな気持ちになった。
あぁ、あの頃を思い出す…この曲を聴いていると、お腹の中に琴子がいるような気がして、嬉しくて悲しい。
天国では皆が思い出のものを持ってきているのだろうから、皆で思い出のお土産話をしあって、こうやって曲を聴いたりしているのかなぁ。
琴子はどういう気持ちになるのだろう。
私を想って、切なくなったりしているのだろうか。
どんな心でいるのだろうか。
辛くなることばかりを恐れず、ときにはこうやって琴子との時を強引に思い出すことも大事なことなのだと、つくづくそう感じた。
琴子が一緒に聴いているような気がする。