妊婦の登山や運動−ふぃっしゅさんのご意見から考える その2

妊婦の登山や運動−ふぃっしゅさんのご意見から考える その1』の続きです。


2通目

    • -

「効果がある」ということはどういうことかは、NATROM先生のサイトや、kiklogを読むとわかると思います。
特に医療関係者は、「効果が認められた」「実証はされていない」の差をきちんと説明することが求められていると思います。

疾患を持っていない人や妊婦でなければ、実証されていない健康法も自分の判断ですることもひどい健康障害を起こす前に自分でやめることも可能であり、問題ないと思います。(ただしサプリメントのようなものは肝障害の死亡例やアナフィラキシーショックなどの報告もあるように要注意ですが)

問題なのは医療にかかっている人たちへの、あやしい健康法、食事療法などです。治りたい気持から、あるいは妊婦さんのように安産への思いや健康な生活への関心が高まった時に、「なんとなくよさそう」と思い込みやすいところを狙ったものが世の中多いですね。

疾患を悪化させたり、妊婦さんの場合は母体と胎児の二つの生命に影響を与えかねないので、安全であることやリスクが確認されたもの以外は取り入れない方がよいと思います。


たぶん、こうした妊婦スポーツや健康法・食事(マクロビとか)は「自然なお産」「お産は病気ではない(だから医療的介入は不要)」という考えと対になって広がってきていると思います。

妊娠・出産の中での「医療の恩恵」というと、とかく異常時の救命救急の話題中心になりますが、正常に妊娠経過を過ごすために厖大な調査や研究がなされているわけです。
「妊娠・出産は自然な営み」「大半の人は正常に経過する」、だから医療介入は不要と思いやすいのかもしれませんが、どのような状態が妊娠の正常なのか、異常はどのように予防したらよいかなど医療の知識・技術の多大な恩恵を受けているのですね。

助産師がそれらのあらたな健康法を勧めてよいのは、効果が実証され、健康法を実施する目的が明確にされ、母子へのリスクも説明できる段階になった時点でだと思います。
そうでない段階では、妊婦さんからの相談に対しては「勧める立場」ではなく、検証や実証がされていないことを明確に伝えるのが仕事だと思います。

臨月の登山、妊婦さんへのマクロビや菜食、ホメオパシー、整体など、助産師が勧める側になるのは非常に大きな問題だと思います。
というか、問題だと認識できないところが問題ですね。

註:強調しているのは私です

もうその通りなんですよ、ふぃっしゅさん!
問題だと認識できないところが問題−これなんです!
もう本当、『いつまでもこんなブログを続けて』という程度のことしか言ってくれない助産師が多いことからして、助産師自らがこれらの問題に正面から向き合う姿勢を全く感じられない。
ふぃっしゅさんは病院の勤務助産師だからなのでしょう、助産師として自ら問題の指摘をしてくれる唯一の存在といっても過言ではない。
琴子を亡くしてから助産師会に出向き、そこで話をした事務局長ともう一人の助産師の方は改善するといったのに、その後の助産師会はホメオパシーを薦めるような講演会をしたり支援したり、私以外の方が助産院や自宅出産で事故に遭ってその報告をしても、はっきりいって納得いく対応を得ている方はいないのです。
ホメオパシーだって、決して安いものではないですよ、特に日本で扱われているのは高いものが多い。
これだって、助産師の商売と言えますよね。

食事療法というのだって、マクロビだって、教室として授業料のようなものをとっていたり、本当に凄いですよ。
どこが家庭的なんだ?っておもいますよ。
大体、妊娠は病気じゃないのだから病院で産むのは…的なことを言って人の気を寄せているのに食事療法ですよ、矛盾しているじゃないですか。
言葉尻をっておもわれるかもしれないけど、発言内容を見ていると、使えるものはなんでも使うっていう感じです。

病院を批判するのも、そうすればするほど、自分達が必要としてもらえるからとしか私には見えません。
でも嘱託医は必要なんですよ−まぁ、中には嘱託医が必要だということ、特にそれが産科医に限定されたときには不満を堂々と言う方たちだったから驚きですけどね。
からしたら、産科医以外に許されていたことの方が驚きだったのに。

私たちが無事に生まれて今生きていることも、医療の恩恵を受けている−それは助産師が最初に伝えないとならないことだとおもいます。
上辺だけの言葉ではなく、助産院で産むということは、自宅出産をするということは、あえて緊急搬送を必要とする状況を選び、更なる医療の恩恵を受けようとしていることだということを自覚して欲しいです。

ふぃっしゅさん、有難うございます。