助産院が病院と提携しているというのは、「助産院は安全だ」ということなのだろうか?

「それは幻想でしょうが」とおもわず言いたくなったのが不妊・妊娠・出産・育児-女性の為の健康生活ガイド『ジネコ』38歳初産なのに助産院(妊娠・出産の広場)という相談の病院との提携についてのコメント。
ちなみに、私は以前に「どんなに本人が若いと思っていても、肉体的には」ということで、高齢出産を軽々しくも「いまどき、気にしているの?」とは言えないのだろうとおもうことがあったので、年齢で考えるべき問題もあるとはおもっています。特に、今回の方の相談の妊婦は初産です。だから慎重におもう身内の方の気持ちを「気にしすぎ」というモードで切り捨てることはできないとおもっていますが、今日はとにかく、何度も当ブログでも言っている“病院と提携しているから大丈夫”ということへの問題です。
コメントされている方の中に

助産院は緊急時に備えて総合病院と強固に連携しています。
またその助産院が受け入れる判断をしたのなら、おまかせしてもよろしいのではないですか?

というのがありました。
この感覚は一般的にあるものだとおもいます。しかし、「助産院が受け入れる判断をしたのなら大丈夫」というのは、私の経験上、“正しい判断”とはおもっていません。これは助産院の方へは失礼かもしれませが、しかし、「産む側も勉強を」と言ったのは当時の日本助産師会の方であって、産む側が勉強すべき問題として、「どこで産むのが安全なのか?」は含まれているからです。
ほかの方でも、病院と提携しているというようなことを安心材料にされていますが、相談者の情報によると、総合病院まで最短でも1時間です。「搬送は救急車だからもっと早い」も幻想でしょう。搬送受け入れ先を探してなかなか発進できないでいる救急車の話もあります。また、いくら救急車を優先させると言われていても、渋滞の中、動けずにサイレンだけが鳴り響いている状態も目にしたことがあります。「田舎だから」としても、全てが“良い結果を期待・想定している”ということをきちんと言った上でないと。それはもちろん、医療に対しても同じですが、ただしかし、緊急搬送は既に問題が生じている上での時間のロスです。
「救急車で行こうが自家用車で行こうが、1時間かかるんなら同じでしょ?」は正しくなんてないのです。救急車で行く1時間は、既に問題が発生している状態での1時間です。「陣痛が始まったらしい」で移動する1時間とは全く違います。ここを私たちはしっかりと把握しておくべきです。「強固に提携しています」は、私にとっては机上の空論です。


あと、私はこの心配されている義妹さんの存在は非常に羨ましいです。私の場合、周囲の方には「助産院で大丈夫なの?」と心配してくれていた方がいたことを後で知ったからです。当時の私がその方の意見を素直に聞き入れられたのかはわかりませんが(これ、非常に問題、自分的にも恥ずかしいくらいに問題だとおもっていますが、ただ、こういう私みたいな人が多い世界という問題)、「あなたの口出すことではない」のではなく、母子が安全なのかは親族中の問題ですよ、本当にこの義妹さんが心配されていることは余計な口出しなんかじゃないんです。だって、琴子は私の子どもとしてだけ死んだんじゃないんですよ、私の両親、義両親にとっては「孫の死」であり、私はその負い目も背負って生きているのです。

色々と複雑に問題を感じさせられる内容です。