助産院での出産にて−桜ママさんのお話 終わり

嘱託医の総合病院に運ばれました。

つくとすぐ処置されているようで、最初は当直の先生が子宮と胎盤を戻してくれてたようですが私服姿の先生がやってきて

「着替えている暇ない!このままでやる!こんないれかたじゃだめだ!もう一度取りだして入れなおす!形成の先生を待機させて!」

という怒鳴り声と

「先生、血圧が60切りました!」

と叫ぶ看護師さんの声が聞こえてきました。

またさっきの後産のような痛みがあり

「お願い、もう痛いの嫌なの、ちょっと休憩させて、やらなくていい」

とお願いしましたが、先生に

「何いってるの!今いれないと子宮が腐っちゃうんだよ!お腹切ることになるんだよ」

といわれながら、すごく痛くて、するとすっと痛みが消え全身がダランとなってしまいました。

麻酔がきいたのでしょうか。

「よし、おとなしくなった、今だ!」

という声と

「大丈夫きれいにはいった」

といわれ、安心したからでしょう、先生は

「廊下で何でこんな状態にしたんだ!ってどなっちゃったけど、お母さんだったみたいだな、エプロンつけてるほうが助産師だったな、お母さんに悪いことしちゃったよ」

と笑ってました。


「血圧も戻ってきました」

と看護師さんが安心したように言い、別の看護師さんが

「どこかつらい?」

と聞くので

「すごく寒い」

というと

「ごめんね、輸血したのと、お腹を氷で冷やしてるの。これだけは我慢してね」

「かわいそうに、こんなに血だらけになって。さあ、きれいにふいてあげるからね」

「こんなになってかわいそう」

と数人で体を拭いてくれました。

このとき初めて自分は血だらけなのと輸血したんだと思いました。


別の部屋につれていかされ、別の看護師さんとさっきの当直医がいて

「会陰しなかったからひどい切れようよ。これはねどうしても縫わなきゃだめ」

といわれ

「会陰しないために助産院でお産したんです。もう痛いのは嫌だから縫わなくていいです」

と言ってしまいました。

すると看護師さんは激怒し

「何言ってるの!だめよ!それにね、お産は病院で産むものなの!もう二度と助産院で産んではだめ!おぼえておいて!」

と怒られました。

麻酔したのかしてないのかとても痛かったけど、また途中で意識がなくなってしまいました。


起きると口に酸素マスクをされ点滴をうってました。

体がひどく重くて足も手も動かせずひどくのどが渇いてました。

朝の5時でした。

母はショックと疲労で家に帰り父と妹が付き添ってくれてました。

ひどくお腹がすいて目を覚まして最初の言葉は

「看護婦さん、お腹すいちゃったんですけど」

でした。

輸血したから先生の許可下りるまで飲食は待ってといわれ7時頃ようやく朝食を食べれました。


病棟婦長が来て

「本当に大変なことだったのよ。赤ちゃんもこっちにつれてきて病院でお世話します。いいわね。私達看護師はね、医療機関以外で産ませるなんて怖くて怖くて絶対できない。そういうものなの。もう二度と病院以外で産むなんてだめ!」

そして途中で別の看護師が

助産院の方がきました」

とつげに来ると

「今行くから待たせといて!」

と怒ったようにいいました。


病室に移されしばらくすると、助産院の代表者がカーテンから顔を見せて

「あなた、大変な目にあったわね〜」

と他人事のように言ってまた立ち去りました。

それからすぐに赤ちゃんをだいた代表者がきて

「連れてきたからね」

といってまた立ち去りました。


両親は「あきらかに医療ミスだって先生に言われたよ。」

といいました。


お昼過ぎになると一緒に助産院で陣痛をともにした彼女の旦那さんが来てくれました。

あれっと思ってると

「うちのもね、あなたの30分後にこっちに搬送されたんだ。破水したけど生まれなくて。なんか帝王切開もできないらしくて、陣痛促進剤うってもらって無事生まれたよ。生まれたての赤ちゃん見せてもらったよ。よくがんばったね。」

といってくれました。

彼女も運ばれたんだ〜とびっくりしました。私は体が丈夫なのか、まれに見る回復力らしく子宮の戻りもよく2日後には普通病棟に移されました。

ようやく彼女(同じ助産院から運ばれた、先の方)とも話ができて

「赤ちゃんかわいいねなんて旦那とみてたらばたばたし始めて、救急隊員がきてもうびっくりして震え上がっちゃった」

といわれました。

「私もう、お産がこんなにつらいなんて。今度生むときは無痛分娩の病院にいく。赤ちゃんもね苦しかったのか、まゆをよせてる顔してるの。あんなつらい思いして、結局病院でうんで促進剤使ったし。(彼女はひまし油飲んでいたから)」

といってました。

看護師さんに聞くと、彼女は超超微弱陣痛だったそうです。

退院するまで彼女は体力回復と子宮の戻りと悪露が悪かったようでした。


夜中、授乳しているとき当直の看護師さんといろいろ話しました。

毎晩必ず言われたのが

「なぜ助産院で産んだの」

でした。

そして彼女達が共通して言ったのが

「看護師している人間が医療機関以外でうませるなんて怖くてできない。」

「なんか助産院は新興宗教みたいで怖い」

でした。

確かに私も通っているうちにマインドコントロールされてる気がして(半分くらいですんだつもりですが)ました。

「今の若い人たちは怖いもの知らずなのかしらね」

など、会う看護師さんに毎日言われおこられました。

「本当に元気になって!あなたのような大出血した人、私長年看護師してるけど、あなた一番か2番よ」

ともいわれました。


もうすぐ退院のという日、助産院の娘を取り上げてくれた人と実権を握ってる人が顔を見せにきました。

取り上げてくれた人はずっと一言も言わず、じっと私を見つめ様子を伺う感じでした。

実権を握ってる人は

「なんだ、元気そうじゃない?大出血?ここわね、総合病院だからそういうふうにいうけど、それくらいの出血は大学病院じゃよくあることなの。こういうことがあるために私達はこういう病院と提携してるのよ。だから安心してお産できるでしょ。それに、こういう状況になるなんて事前にわからないんだし、あなたの子宮が悪かったの。でも、二人目、こんな病院でうみたくないでしょ。うちで産むでしょ?ああ、お金ね、請求書は用意してあるから、いつでもいいから赤ちゃん見せにきながら来てちょうだい。」とほぼいいたいことは言うだけいって帰りました。

看護師さんに話すとみな激怒して支払うべきではないとか訴えるべきだとか、訴えられないようにするために自分を正当化するような発言をしているんだとかいってました。

私もそんな気がしました。

わたしはこの助産院とは一切縁をきりかかわりを断つことが一番と思い、支払いを両親にお願いし一切かかわることはしませんでした。

親が支払いをすると領収書を渡され、印紙が貼ってないことを指摘すると、実権者は

「いままでうちの税理士に指摘されたことないし、それで文句いわれたことないの」

とえらそうにいったそうです。

最初から最後まで何様かっていう人間でした。

この天狗になってる人だけは今でもどうしても腹がたってしかたがないです。


この人たちがしきりに私達に悪くいってたこの総合病院は、実際入院しててもすごく快適でよかったです。

ここもアロマテラピーを取り入れてました。

私が陣痛が苦しくてテルミーじゃ効果なかったというと、ちゃんとつぼがあってそこを押すと少しは楽になるのといわれたり、また赤ん坊にスクリーニング検査やKシロップ飲ませてくれたりと、助産院でもしているのかなと思い、やはり子供もこっちに移して正解だと実感しました。

決まった時間ですが自分達のベッドにつれてきて母子の時間もとれるし、また、私がネットとかで心配した研修医達に見られるとかいう話も、そういう場合はちゃんと了承を得なきゃやらないし、病院の都合で促進剤うったりしないといわれました。

本当に自分の勉強不足と思い込みとみなの忠告をきかなかった罰があたった結果になりました。

でも、おかげで、いろんなことがわかりました。

病院でだって死ぬことがあります。

それくらいお産って怖いんです。

それならばきちんとした環境のあるところで産むのがあたりまえなんですよね。

助産院はたしかにアットホームなのかもしれません。

だけど、無事産まれたからわからないだけ。

肉親を殺された人しか、事故にあった人しか、などそういう実際に体験したひとしかわからないことがあるんです。

だからいいことだけを前面にだす助産院のやり方は疑問視します。

助産院を開設する人は自分に自信があるからだと思います。

その自信が天狗になってないですか?そう言いたいのです。