妊婦健診の公的補助を助産院まで拡大することを考える

当ブログに静岡の産科医Qさん(6月13日)がくださったご意見より、妊婦健診の公的補助を助産院まで拡大することを考えました。

臍帯を切るという行為(6月11日)


まず、静岡の産科医Qさんのご意見を下記に紹介させて頂きます。

今、静岡県では妊婦健診の公的補助を助産院まで拡大することを認めるかどうかで、お母さんの団体さんが署名活動を展開しています。

しかしその署名の文面を見ると、「助産院で妊婦健診をできないのは不公平」という点のみが強調され、一般の方なら誰でも署名してしまうような内容になっています。そこには、助産院の実際の「影」は全く語られていません。

静岡県F市に非常に危ない助産院があります。

(1)新生児黄疸で考えられないほど高い数字を示しているのに、放置して核黄疸が危ぶまれている赤ちゃんを作った

(2)心音が落ちている(CTGが残っています)のに、分娩二期を24時間粘って、足浴だけを行い(この間分娩監視装置をはずした)児の心音が確認されなくなってからあわてて病院に搬送し、胎児死亡を起こした(しかも、助産院ではまだ生きていたと言い張って、新生児死亡扱いにさせた)

(3)HBsAg陽性妊婦に(これを取り扱ってはいけないと思うのですが)母子感染防止対策を行うことを知らずに放置した


たかだか300人程度の分娩中にこれだけの異常を作ってくれましたが、本人は県の助産師会の幹部です

毎日新聞の全国版に「勤務助産師は技術が未熟」と豪語しました

妊婦健診は医師も助産師も同レベルのことを行っている、と語っています


今私たちはこういった危険な方々に対して、妊婦健診を全て任せるわけにいかないと、活動をしています

地区の新生児科の先生方は満場一致で署名・応援してくれているのですが、マスコミはほぼ全紙助産院の味方です

もちろん、お任せできる助産院もいます

しかし、組織として活動しておられる限り、そのような有能な助産助産師も許せません

彼女たちは、厚生省看護課・看護協会・マスコミと手を取り合って、看護師しかいない産科開業医を潰したからです

これが日本の周産期の世界をどれだけゆがめてしまったか


これが現実です ですから、助産師に臍帯を切らせたり、超音波をやらせたりするのは、マスコミにとっては全然気にならないことなのです


助産師さんがすべて助産師会に入っているわけではありません

助産師会はひどい団体だと思いますが、私は助産師は必要な職業だと思っています


助産師が安心を与えるように援助し、医師がそれを安全面でサポートし、助産師の足りない部分は看護師が補助する(内診も含めてです)


助産師至上主義では日本のお産全体はとてもカバーできません

助産院の彼女たちは、自分たちのできうる範囲で都合良くシェアを増やしたいだけで、地区全体のお産を全てまかなうにはどうしたらよいかなどとは全く考えておられないと思います


以前にも、お産について考える趣旨のML内でこのような話を目にしました。

助産師の多くの方は、助産院でも使えるようにするべきだというような結果でした。

今回は、ネットで<妊婦健診 公的補助 助産院>と検索してみました。

All About助産院で妊婦健診費用の補助券が使えない?助産院がおこなっている妊婦健診の内容は厚労省が示す基準をカバーしている

他にも、ヒッをトしたサイトを拝見しましたが、危険な行為・判断をしている助産院を知らない方にとっては、助産院は素晴らしいものとしか考えられないのでしょう。

行政がどのような判断をするのか、検討する際に、助産院一つ一つの実情をきちんと見極めてくれると良いです。

ただ、どうやって実情を知ろうかと、知ることが出来るかが更なる問題になるわけですよね。

なかなか真実は伝わってきませんから。

『評判の良い助産院だった』

という嘆きの声は、一つ二つではありません。

私の場合も同じでした。

また、病院に搬送した途端に病院へ責任転嫁するというのも、本当によくあることのようで、訴訟を起こしてもなかなか助産院の非を認められないという話も、複数の当事者の方から聞いています。

静岡の産科医Qさんのお話にもありますね。



『妊婦健診は医師も助産師も同レベルのことを行っている、と語っています』

これも本当、私でも「いい加減にしろよー」と言いたくなります。

同じレベルって、そもそもがエコー診断が違法だというのに?

エコーを抜きにしても、同じレベルなんでしょうか。

素人の疑問として、医師になる…色々と違うのは分かっているのですが、あえて産科医と断定させていただくとして、その産科医になるのと助産師になるのとは、同じ“難しさ”なんでしょうか?

同じレベルということは、資格を得る前の学習内容からして同じなのかなっておもっちゃいます。

それとも、現場で何度かお産を扱えば、同じレベルになれちゃうのでしょうか。

公的補助を受けるためになのか、もしもこのようなことを本気で仰っているのだとしたら、琴子を亡くした後に助産師会に出向いて話し合ったあの内容や、あのときの助産師会の姿勢が嘘でしかなかったと、悲しみが深まるばかりです。

(無資格者内診問題のときには、『看護師と助産師の資格の差は大きい』と言っていたような…)


上の子を持ち、出産時に頼れる家族や親族、友人たちがいなくて困る、産後も上の子が一緒に泊まれることが助かる等、助産院が求められることもあるのは分かっています。

でも、それは安全を第一とし、母子のために判断することが求められていることであって、『医師と同じレベル』だとまで言って得ようとする権利(地位?)がなんなのか、私にはそこが何よりも疑問です。


リンズ、ダンジを総合病院で出産し、そこには多くの助産師の方がいました。

私がお産でお世話になった助産師の方達は、大きなことも言わなかったし、一生懸命に、母子一人ひとりに接してくれていました。

勤務助産師の技術が未熟だなんて、開業助産師の元で子供が死んで、勤務助産師に囲まれて二人の子を無事に取り上げて貰った私には信じられず、受け入れ難い言葉です。


助産院の全てが間違っているとはおもっていません。

でも、正しくあろうと日々努めている謙虚な助産院を中心に考えていては、危険な助産院を野放しにしてしまうのではないでしょうか。

助産院での健診に公的補助を使えるようにするのか否か、判断材料として、搬送を受け入れている病院の医師の方達からの報告にも、そして、被害者の声・存在も知って欲しいです。