VBAC/アメリカと日本の違い

先日の当ブログ>VBAC/米国の状況に僻地の産科医さんがくださったご意見です、僻地の産科医さん、有難うございます。

たしかにアメリカで基準が緩和されました。
これは産科婦人科学会でも話題になりました。

ただ、アメリカの医師は交代制です。すぐにいつでも手術ができるのです。
ですから、普通の基準での帝王切開でも、予定日近くに行うセットアップをします。
(日本ではこれができないのは、陣痛が来てしまう可能性があるからで、
 夜間・休日は労働として人がいるわけではなく、当直として少ない人数で
 回しているので、急に帝王切開といわれてもセットアップに時間がかかるから
 もう最初からあきらめたスケジュールと成っているわけです。)
ERとかのドラマみてると、先生たちが朝方帰っていかれるシーン、よくありますよね?
日本は32時間連続労働なので。。。。

というわけで、日本ではますます労働力不足のために、VBACやる施設は少なくなって
いくと思われます。あくまでアメリカで緩和されたのは潤沢な人材あっての話です。
日本とは別とお考えください。

※強調しているのは私、琴子の母です

ERは好きでしたので、朝帰っていく医師、夜来る医師と、そこに自分がいたかのような気分で記憶出来ています(吹き替え版ワールド)。保険会社による話もよくありましたよね。(グリーンDr.が産婦の急変で…って言うのも思い出されます)
アメリカでの基準が緩和されたことが、そのまま世界的な常識になっていくわけではないのですね。でも日本でも先日の独協での大葉ナナコ氏が講演した内容の問題(satomiさんのコメントからして、まだまだこれからもっと浸透させようという気配はしっかりと感じられます。リスクの問題、マンパワーの問題を考えると、今の日本で浸透させようなんていうのはおかしな話のようにおもうのですけど。

僻地の産科医さんが後にくださった

周産期医学 2010年10月号1449によりますと、
帝王切開術時の母体死亡率は10万人に対し、10.3人(0.0103%)、
 経膣分娩における母体死亡率は10万人に対し2.4人(0.0024%)」
とあります。もちろん、帝王切開群の方が、もともとリスクは高いから、
帝王切開になっているという背景もありますが、帝王切開自体は
そもそも母親の死亡リスクを高めているのは間違いない事実だと思われます。

から、帝王切開で出産された方への偏見や差別的な意見を払拭していく必要があるんだとおもいました。「出産は命がけ」と、産み方による差別をなくし、周囲の方たちも母子の安全を素直に喜んでくれるようにしたいです。