開業助産師からのメッセージがどう伝わっているのか

丁度ふぃっしゅさんから頂いたコメントが、私が昨日の続きを書こうとおもっていたことと丁度重なることでしたので、レスっぽくなりました。ふぃっしゅさん、いつもありがとうございます。

上記のサイト読みました。
「産科医療の発達によって、これまで救えなかった命を救えるようになった」「自宅分娩は医療のバックアップがあるから」と、こういう方たちに認めさせたのは大きな進歩かと思います。
以前は医療・病院批判だけでしたからね。
また周産期死亡や母体死亡が減った事実を、先日のsuzanさんや*ユウ*さんのやり取りにあったように「医療の発達ではなく、栄養状態の改善による」という解釈の方たちもいらっしゃいましたからね。

これは、元記事
森ノオトから
Vol.12 "芸術的なお産"を通じた生き方伝道師......助産師の齊藤純子さんです!(全3頁)
にある

ーー産科医療の発達によって「これまで救えなかった命が助かった」という面も大きいですよね。

齊藤:  ここで一つの数字をご紹介します。2005年の日本の周産期死亡率(妊娠満22週以降の死産+生後7日未満の早期新生児死亡)は出生1000人に対し3.3人で、先進国の中で最も少ないのです(米国7.7人、英国8.5人、ドイツ5.9人)。妊産婦死亡率は世界平均で10万人あたり400人。日本の場合2005年が5.7人、2006年が4.9人、2007年が3.1人です。戦後の50年間で、お産によって命を亡くす母親は約80分の1に、赤ちゃんは約40分の1に減っています。これは間違いなく産科医療の発達の恩恵によるものです。

日本の法律では、助産院は連携医療機関(総合病院や大学病院など)、嘱託医(地域の産婦人科クリニックなど)との提携関係を結ばなければなりません。自宅出産の背後には、必ず医療のバックアップがあるということを前提に考えていただく必要があります。

とありますが、私はこういう発言に“自宅出産したい”と思う方がどう反応するのかが気になる。
また、これらの発言は『一応言っておいた』程度の扱いであって、実際に起こっている子どもの死や障害、母体への損傷などを伝える必要性を感じていない、相変わらずなものだとおもいます。それは、この後に続く対話からも十分に伺えます。お産によって命を落とす母子の数字は出てきていますが、自宅出産や助産院からの搬送は出てきていません。このような表記だと、『最初から異常がある人だから、何かがある』程度にしか、私たち無知な一般人にはおもえないんです。『最初から殆ど最後まで異常がなかったのに、急変してしまう』ということを想像できない。させないと言った方が正しいかな?
また、医療のバックアップがあるといっても、それが正しい判断のもとで行われているともおもえない現状。
記者の方もそのまま

ーー逆を返すと、世界を見ても10万人のうち9万9600人は安全に赤ちゃんを産めると言うこともできますよね。

という解釈を示しています。ここが、私たちの感想を誘導しているのだとおもいます。

キャプションにある

助産院にやってくる方は医者嫌いな方が多い。だけど、医療が進んだことで助かる命もある。まずは薬が必要のない体をつくるのが前提だけど、薬が必要な状況にある人は医療の手を借りて謙虚に薬を飲むことも必要です」と諭す

にしても、だったら何故、民間療法を、それも複数も用いているのかに疑問を抱けるようになるべきなんですが、“必要な状況”と言われるまでは、不要な状況だとおもってしまっているので、気がついたときには辛い結果を強いられることもあるのです。その辛い結果が我が子の身に起こると、誰が想像してくれるでしょうか。

まぁ、こういう記事で「自宅出産をしたくて体作りを頑張っていたけど、急変して亡くなってしまったお子さんもいます」とか、そういうことは言いにくいでしょうね、そうとはおもいますが、せめて私だけは、「だからこそ言って欲しい」と願い続けます。

ふぃっしゅさん、

「そんな変なものを勧めているのですか?助産師さんって」という冷ややかな目で見ているお母さんたちがたくさんいることに、気づいていないのでしょうね。

結局、このような情報に群がる方たちは冷ややかにおもう目に対して、「理解出来ない、かわいそうな人」程度にしか感じてくれないんですよ…