肝心なのは、その結果

自宅出産より病院出産の方が失血死のリスクが高い?NATROMの日記)からです。
元記事は【妊婦に悲報】自宅出産よりも病院での出産の方が失血死のリスクが高いと判明!!過度な医療介入が原因か?!英大学調査ですが、“妊婦に悲報”っていうのがなぁ...


NATROMさんが仰るように、

原著には失血死のリスクについては述べられていない。原著で調べられているのは分娩後出血(1000 mL以上の出血)である。母体死亡はきわめて稀であるので、統計的有意差があるかどうかを調べるのはたいへんである。なので、「母体死亡リスクに関係する潜在的マーカー」である分娩後出血を調べたのだ。研究方法としては妥当であるが、あくまでも「潜在的マーカー」なので、後述するように観察された分娩後出血が多いからといって失血死が多いかどうかはわからない。報道するのであれば研究の内容を正確に伝えるべきである。

と、失血死のリスクが高いと聞くと、私たち一般人はその場で死んでいることについての数字や話のようにおもってしまうけど、そうではなくて、分娩後の出血を調べたものについての話ということを、間違えなく捉えないといけない。また、コメント欄にある山口(産婦人科)さんの内容も、このような調査で補えきれていない点として知っておくべきだとおもいました。


元記事では

最近では助産師さんを呼んで自宅で出産する人も増えていると聞くが、今回の結果を聞くと今後は自宅出産に気持ちが傾く人が増えるかもしれない。

とありますが、私はNATROMさんの記事まできちんと妊婦さんたちには読んで欲しいです。
リスクがどうかを議論するのも重要だとおもっていますが、一番怖いのは、そのリスクが現実に生じた時に、どういうことがその分娩場所で出来るのか、なのです。