出生届が受理されました!

ここまで辿り着けるなんて、正直、夢にも想いませんでした。

まさか琴子を戸籍に載せられるなんて、今でもちょっと信じられません。

誰かのお話を聞いて、自分も一緒になって嬉しいとおもえるような、そんな誰かのお話を聞いているだけのような、どう表現したらいいのだろう、とにかく、まさか琴子を戸籍に載せられるなんて!!!


今日、午前9:50に役場に到着。

取材依頼くださっていた新聞社の記者さんと一緒に戸籍係へ行き、そこで準備していた琴子の出生届と死亡現認書を提出。

ただ、死亡現認書はあくまでも“死亡届”に添付するためのものなので、そこで新たに死亡届を書くのだけど、そこは旦那が引き受けてくれた。

あとで記者さんに

「死亡届をあらためて書くというのは辛かったでしょう」

と聞かれ、私は自分で書いたりしたことがなかったからかな、琴子が亡くなった直後も、事務的なことは旦那と実家の家族が全てしてくれたので、私は筆を持っての辛さはあまりなかった。

そう、私にはなかっただけで、旦那は常に私の代わりにこの辛い作業をしてくれていた。

ありがとう。


「今日はとにかく預かりです」

と、役場の係の女性が何度か言っていたから、最初は

「なんだ、今日には何も変わらないのか」

とおもっていたのだけど、帰る頃には“住民票”を見せてくれたりして、リンズの相手をしていてよく把握できていなかったのだけど、あれれ? なんだか琴子の名前が活字になってきたぞとかとおもっていたら、

「出生届は受理しました」

と!!!

正直、すぐには実感がわかず、後に同行してくれた記者さんが感想を聞いてきてくれたときにも、あんまり感極まるというような気分ではないということを伝えてしまうくらいに、なんていうのかな、嬉しいっていう気持ちはたくさんあるのだけど、溢れてくることはないっていうのかな、お腹一杯にはならないっていう感じだった。

出生届を不受理と扱われることも予測されていたから、事前に弁護士さんから

『不受理なら「訴えます」と言うように』

とにかく、次にはまた裁判をしなくちゃいけないのかもしれないという覚悟もあったから、拍子抜けしていたのかもしれない。

とにかく、受理されたっていうことは、琴子は戸籍に載ったっていうこと。

あとは、法務局がこの事態をどう処理するかということになるそうなんだけど、法務局としては、私とH助産師とに事情聴取のようなことをしてくるらしい。

事実確認をした上で、琴子の死亡を確定。

私としては、琴子の死亡を確認せず、今のままでも構わないんだけどなぁ。

ちなみに、今はリンズも長女で、琴子も長女。

世界にたった一つしかない戸籍の表記じゃないのかな。

今のままでもいいのに。

琴子のこと、死亡にしなくてもいいのに。

だって、天国でも生きているんだからね。

でもま、こういうことを他人が認めてくれるわけもないので、ここから先はまた悲しい言葉が交わされるのかもしれないけど、今日から数日間は、琴子は生きている子です。


ずっと諦めていたのに、琴子が戸籍に載せられる日がくるなんて、こんな贈り物をくれるなんて。


今日はケーキを買って、琴子のお祝いをしました。

友人が一人、これまたケーキを持って、お祝いに来てくれました。

なにもわからずにはしゃいでいるリンズを見ていると、そこに琴子がいないことすら不思議におもえてならず、得たものと失ったもの、常に私の心を去来するこの想い…

でも今日はとにかく嬉しかったから、嬉しいままでいたいな。

法務局の人がうちに電話をしてくるのを忘れて、戸籍に琴子の死亡を書き忘れてくれたらいいのにな。


今日まで私を励ましてくれた皆さん、どうもありがとうございます。

琴子に優しい言葉をくれた皆さん、ありがとうございます。

今日は大きな節目の日となりました。

まさか琴子の出生届が提出出来るなんて、滞りなく受理してもらえるなんて、これほど嬉しいことはありません。


琴子、おめでとう。

前から琴子は家の中では家族だったけど、これで他所の人も認め易くなったよ。

琴子、おめでとう。


追伸

受理の際の詳しい話などは、旦那によくよーく聞いてから、またこのブログの中で話していきたいとおもいます。