弁護士さん

以前、この日記でも気持ちを打ち明けたのだけど、やはり今のままでの和解なんて到底無理と、あれからすぐに弁護士さんに伝えました。

弁護士さんも、今まで以上に気持ちを理解してくれているというか、今までの中では一番、私の心情を表すのに的確な言葉で会話してくれて、とっても安心しました。


そもそも、助産師を訴えようと決心できたのは、この弁護士さんが琴子をきちんとした人間として認めてくれたことにあります。

初めて弁護士さんに会った日から1年が過ぎ、色々なことを思い返します。

裁判すべきか否かを悩みつつ、相談に行った日のこと。

その日のうちに、裁判を頑なに拒んでいた旦那が「お願いします」と頭を下げ、そこから今日まで、何度も弁護士さんと話をしました。


死産(本当は新生児死だったんだけど)ということで、戸籍にも残せなかったし、リンズが生まれたことで、次女のはずが長女となり、琴子がいたことが消えうせていくという事実が一層強調されていく。

そういう日々の中、反比例するかのように、弁護士さんとの会話の中で、琴子は生き生きとして姿を現してくれる。

弁護士さんが

「琴子さんは」

と言ってくれる。

学校にも保育園にも何処にも行けなかった琴子だけど、時々、琴子の名前を誰かが呼んでくれる。

やっぱり名前は呼ばれると、生きるのだ。


「これからももっと、あなたたちの気持ちを伝えてもらい、それを私がどうしていくかを考えますから」

きっとこれは当たり前の言葉なのかもしれないけど、琴子の葬儀しか出してあげられなかった親としては、とっても嬉しい言葉でした。

弁護士さん、これからも宜しくお願いします。