危機感のない助産師−自宅出産、女児死亡

また事故の報告の紹介です。
自宅出産で、お子さんが亡くなっています。

お母さんはhaccaさんと仰います。

haccaさんは上の2人は助産院で産み、3人目から自宅出産になりました。
この助産院には持ち運び用のドップラーしかないとのことで、助産院でも自宅でも同じだから、更には2人目の時に陣痛がきて移動中に車の中でお産が一気に進行してしまったことから、以降は自宅を選ぶようになったそうです。

今回亡くなったお子さんは、6人目のお子さんでした。

助産所業務ガイドラインによると、頻産婦(出産5回以上)は産婦人科医と相談の上、協働管理すべき対象者となっているようですが、haccaさんにはこれらの説明は全くなく、問題を意識している・感じようとしている気配はなかったそうです。

また、自宅出産を扱う助産師のHPによっては、自宅出産のリスクについての説明があり、

【下記に該当する方は母子の生命にかかわる危険が伴いやすいため、自宅出産をお断りしています】

・妊娠経過に問題のある方(逆子、妊娠高血圧症など)

帝王切開の既往のある方

・糖尿病、心臓疾患などの合併症のある方

・ウィルス性肝炎などの感染症がある方

・頻産婦(5回目以上のお産の方)の方

・35歳以上の初産婦

という予めのお断りがあります。
※複数の助産院で同様の内容を確認することが出来ました

ここにしっかりと“頻産婦(5回以上のお産の方)”とありますが、今回(正しくはhaccaさんにとっては5人目の前回のお産から)、haccaさんが自宅出産をすることは正しい判断だったのでしょうか。

助産師から全く説明がなかったというのは問題のないことでしょうか。

また、残念なことに、嘱託医(この助産師は嘱託医の医院に勤務している勤務助産師でもある)からも説明が無かったそうです。
haccaさんは頻産婦・多産婦の抱えるハイリスクについて、全く知らないままだったそうです。
※無知だとなじりたい方もいらっしゃるかもしれませんが、私たち産む側はそういうことが多いですし、haccaさんは既にご自身をそう責めていらっしゃいますので、改めて他人様にして頂く必要はないとおもっております

先に一つ、疑問を投げ掛けてしまいましたが、haccaさんとお子さんのお話を下記から致します。
なるべくhaccaさんのくださった内容のままに致しますが、重複すること等、若干、私の方で修正・加筆等いたします。
また、この内容は先にhaccaさんにご確認頂き、ご了解を得た内容です。
haccaさん、有難うございます。

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分娩は38周を過ぎたところでした。
2人目以降は皆1週間から10日早く生まれています。
私はかなり小柄なためか5人とも2200〜2400グラムです。
娘はその中では一番よく成長していて2500グラムだったそうです。
それに6人の中でとびきり元気な子でした。
ほんとにお腹の中で元気に動いていましたね。
お産の2日前の腹痛の後も動いていたと思います。

ほんとうに、様々な兆候を無視して出てきたら仮死だった、なんて、一体何のために助産師についてもらってお産に挑んでいるんでしょう。
娘の場合、娩出の直前まで弱くなりながらも心拍があったようなのですから、それを思うと苦しくなります。
最後の最後まで、娘の苦しみの重大さに気付けなかったんだなあ・・・。

先日、あかちゃんの蘇生にあたってくれた医師と話をしてきました。
そこは今回の助産師が嘱託で勤務している病院です。
※註;この助産師は病院に嘱託で勤め、勤めを保ちながら開業もしています。
途中の妊婦健診ではこの病院へ何度か行くことになっていて、自宅からも助産院からも近いそうです

医師は、心拍低下が起きていたこと、仮死だったことや私が過強陣痛になっていたこと、解剖の結果肺がきれいだったことなどを総合して、剥離だったのではないかと言っています。
羊水が混濁していたことには触れなかったと思います。
私がお産の2日前にもかなりの腹痛があったと言うと、
「ああ、なるほど」
という感じで頷いていました。

私も現場のことがわからないのでその点について聞こうと思って・・・。
でも話し始めると急に込上げてきて泣いてしまいました。
あのお産中の、全く危機感のない素人のような助産師の対応が、仕方ないことだったのか。
私が普通に「陣痛です」といえないような痛み方や、出血の仕方、胎児の心拍の低下、私の様子など・・・
それらの無視された状況が、助産師にとっては仕方ないものだったのか・・・

医師の話はやはり
「その場にいなかったし、当然モニターもしていないのでなんともいえない」
と。
ただひたすら謝っておられましたが。
たぶん力になれない、これ以上言えない、ということで謝っておられたのかもしれませんね。
私が謝ってほしいのは助産師です。

出産当日、いきなり立ち上がれない痛みがあり、倒れこんだままなんとか助産師を呼びました。
助産師が自宅(haccaさん宅)に着き、私を見てもうすぐあかんぼうが出てくる段階かと思ったようです。
痛みだしてからまだ1時間ほどしか経っていないうえに既に過強陣痛となっており、
「明らかにいつもと違う」
と何度も私は言ったのに。
内診して助産師が放った言葉は
「だーまさーれたー」
です。
「そんなに倒れこんで痛がってどんなにお産が進んでいるのかと思ったら、まだ2指じゃない」
と。
「いつもはこんなとこでそんな風にならないでしょ、そんな弱虫じゃないのになー」
と繰り返し言われました。

もうその段階から胎児の心拍は低下しており、助産師も気にしていたようなのですが、私が大袈裟に過強陣痛の様相を呈しているせいで呼吸が悪いからだと考えているようでした。
私は正気を保つのに精一杯の状態なのに
「ほら、もっと息を吸って!ハーハーばっかりだからあかちゃん苦しいってよ!」
と繰り返されるのみ。
気が遠くなるのでなんとか我を保つために眼を見開き、息を吸わねばとやっていると
「こらっ、しっかり!」
と何を勘違いしたのか頬を張られました。

無理に立ち上がると、下着が真っ赤に染まっているのが見え、その瞬間ザーッと水が出ました。
助産師も
「破水だ!」
と言いましたがその後
「あれはおしっこだわ」
と言い直していましたね。
何の感覚もなかったのに、そんなばかな・・・。

確かに、初産の時からの付き合いで慣れ親しんだ仲だけれど、これは余りにもお粗末な判断の連続ではないのか。
そして、それが6時間も続き、耐えられずいきむと
「まだよ〜、こっちにも準備が・・・」
と。
「早く出してー!」
と叫ぶと
「うるさい!」
と怒鳴られました。
後から
「あなたはヒステリー症候群になっていたわね」
と言われました。

出てきたあかんぼうは仮死。
『なんで!?』という風に慌てた様子の助産師は、飲んでいると思われる羊水を吸引しながら
「おねがい〜」
とパニックのようになっていました。
私はただ呆然と・・・お手伝いの方と部屋に取り残され、後産の処置などもなし。
もっとも胎盤はあかんぼうといっしょにすごい勢いで出てきてしまいましたが。

暫くして「だめだった」と電話があり、病院から戻ってくると、「力が及びませんでした」。
後にも先にもこの一言だけです。

後は
「こうなるようプログラムされた運命だった」
「6人は無理ということだった」
「3人(私とつれあいと助産師)の重い十字架として受け止めましょう」
など・・・
私の家庭内の諸問題が今回のお産をこんなふうに尋常でないものにしてしまった原因、というような話。
そればかり。

後に医師からの『胎盤剥離を起こしたのでは』という話を電話で伝えると
「その話はもう・・・(いいでしょう、言ってもしかたないでしょう、やめましょう)」
です。
「産後1か月検診に行ってね」などの電話では、私が様々な、情けない対処や判断ミスに怒りを覚えているとは思っていないのか、以前と何も変わらないかのような雰囲気です。

「判断ミスを認めて、謝れ!! 自分のだらけきったお産の介助のために、あの子は亡くなったんだ、と思い知れ!!」
私の心の中で渦巻いている感情です。

私に知識があったならこうならずに済んだ−ずっと思っています。

ぐったりしたあの子、一度も目を開けることがなかったあの子、私が助けてやれなかった、かわいそうなあの子。
バカな自分のせいで死んだあの子。

ごめんなさい。

結局、自分のせいでこうなったと思うしかないのか。
でも私はそれで済んでも、犠牲になったあの子はどうなるんだ、と罪悪感を覚えます。

−−−

このメールを頂いてからも、今日にまで何度もメールでやりとりをしています。
私からの質問にもお答え頂き、お子さんを亡くされて辛い日々の中、必死に生きていらっしゃいます。
これ以降に頂いたメールの中には、更に助産師の方の発せられた酷い言葉が綴られていますし、対応に問題を感じることが多々出てきています。
徐々にそれらのお話も当ブログで紹介していきたいとおもいます。

天国で琴子のお友達が増えるのは嬉しくないです。
琴子は寂しがるかもしれないけど、天国に子どもは少ない方が良いです。
でも、今回もこうやって天国で琴子にお友達が出来てしまいました。
琴子が寂しいのなら早く私がって逝きたいけど、生きるというのはそういうことでもないようで、親としては申し訳のない日々です。
寂しくおもわないでね、琴子。
お母さんはずっと一緒にいるから。

開業助産師の方にこの苦しみが解れば良いのに。

人の子なら、死んでも構いませんか?
人の子が死んでいくのを目にして、何も感じませんか?
言い過ぎなのかもしれませんが、それでも足りないくらいに私は悔しいです。