嬉しい。
今日は久々に嬉しかった話。
今日、旦那が通っている習い事のお披露目があったので、リンズを連れて参加しに出掛けた。
習い事のメンバーは御年配のご婦人が殆どで、私が気さくに話し掛けられる人は見当たらないので、私はリンズを抱きながら、
「いつも旦那が世話になっています」
と挨拶をしてまわっていた。
挨拶を受けて、大体の方は
「あら、可愛い赤ちゃん」
と、リンズに笑いかけてくれる。
なかには抱っこしてあやしてくれる人もいる。
どの方の対応も嬉しいのだが、今日は不意をつかれて、つい涙ぐんでしまうくらいに嬉しいことがあった。
御婦人方の中のある方に挨拶をしたら、
「良かったわね、頑張ったよね、辛いこともあったけど、でもここまで頑張ったわね、良かったわね」
と、何遍も繰り返して言ってくれた。
琴子のことを言ってくれたのだ。
他の方とは違う挨拶をしてくれた。
旦那の習い事に私の接点はなく、こうやって滅多にない機会ででしか顔を見せたことはないし、このご婦人が琴子のことを誰から聞いていたのかさえ見当がつかないのだが、皆さんが軽く流している中で、きっとずっと気にしてくれていたんだと感じることが出来た。
悲しい話はすぐに忘れさせてあげようと、大体の方はそういう流れを作ろうとする。
でも何年経とうと、何があろうと、自分が死なない限り、失った子供への気持ちを消して忘れられる親なんて、多分稀なんじゃないかな。
殆どの親がずっとずっと、心の中でそっと大事に抱き締めているんじゃないかな。
だから「忘れろ」って言われたくなくて、ついつい隠してしまうようなときもある。
今日みたいな日には、どんなに「初めてのお子さん?」なんて聞かれても、「はい」としか答えられないのだが、この方は違っていた。
今日のこの御婦人はもしかして、天使ちゃんを心の中で抱き締めている方なんじゃないかなって感じました。
そうではなく、元からこういうことを素直な気持ちで言ってくれる方なのかもしれない。
いずれにしても、今日は思いがけず琴子のことを自分の外で感じることが出来て、とっても嬉しかったです。
ありがとうございました。