本当にお産難民を救えるのですか?

いつも拝見しているshy1221さんのブログ、S.Y.’s Blog8月15日『無理解か、深い理解か

と、

【お産難民を救え 助産師はいま】(6)自治体の格差 無理解が助産所の活用阻む - MSN産経ニュース 魚拓

【お産難民を救え 助産師はいま】(1)「実家のような安心感」

※こちら、「実家のような安心感」の中では、臍の緒を助産師のてほどきのより、父親が切っていると明記されています


率直に、助産所での健診に公費助成が受けられたら、お産難民は助かるのでしょうか。

はっきりいって、助産所での分娩費用も、決して格安ではありません。

病院での費用と大差ありません。

経済的な事情で病院での健診を受けられない、出産が出来ないからって、それを助産所に置き換えたら、どうして急に経済的な事情が解消できるように思わせるような、そんなトリックを仕掛けてくるのでしょうか。

日本中の全ての助産所の健診・分娩及び入院費用を調べたわけではないのだけど、私が実際に通った2件の助産所での健診・分娩費用は、どちらも揃って、病院並みでした。

助産所だからって、格安なんてことはありません

また、私の場合は搬送をしてもらえませんでしたから、病院に琴子の件で費用を支払うことはありませんでしたが、私にお話くださった助産院での悲惨なお産の経験者の方の中には、

『分娩途中で搬送となったが、助産所にも分娩費用を支払い、病院にも支払い、相当かかった』

とお話くださった方もいますから、そこまでも覚悟して、経済的な事情と照らし合わせて考えられるべきだとおもいます。


あと、いっつも新聞では触れませんけど、医療行為はどうなるのでしょうか。

健診は、ただエコーで元気な赤ちゃんを見ましたよー、はい、男の子かな、女の子かな? ってやっているだけだとおもっているのではないでしょうか。

そもそも、エコー診断を助産所がすることこそが違法だというのに、テレビや新聞では

「違法行為を断じて許しません!」

としているのに、助産所の中でのことはお構いなしなのでしょうか。

冒頭、臍の緒を切るのは医療行為で、家族が切るのは助産師が違法行為の手ほどきをしているということになりますよね。


全ての助産院が危険だとは言いませんが、助産院での健診が病院と同じだとはおもえないし、費用の面でも、助産院の価格設定が困窮した家庭のお産を救うとはおもえません。

経済的な問題で病院に行けない人は、助産所にも行けないとおもいますよ。

事実、琴子のことで日本助産師会に出向いた際、当時の事務局長との会話で、主人が

「自宅出産や助産院での出産費用が高く感じる」

というようなことを聞いたら、

「そうなんですよ、自宅だからって安いとか、そういうことはないんですよ」

と仰っていましたからね。

あれから5年経ちますから、何か変わっているかもしれませんが、助産所全体の価格設定が安くなったとはおもえない。


血液検査などが出来ない助産所での健診て、どういうものなのか。

私は経験がありますから、自治体の方よりもわかっているつもりなんですが、あの頃は“気分的に満足”っていう状態ともいえ、更にエコーが違法だとも知らなかったので、里帰り出産予定だった助産所での健診では、そうなると、まだ内診もしませんでしたが違法と知らずにもエコーはやって、助産師の方と話して5000円でした。

それを高いというのか安いというのかは人それぞれなんでしょうが、何度も言うように、経済的な事情を抱えている人が、

「病院の健診には通えないけど、助産所のなら通える」

とはならないとおもうんです。

健診て、きちんと通うことを前提に考えると5回では済まないわけで、“タダで通える5回♪”だけを助産所に通わせたいの?

“タダ券”以外では、多分ほぼ毎回、上記のような内容で5000円くらいはかかる。

私がリンズを出産した際、まだこの“タダ券”は2枚とかしかなくて、その2回はどちらも前期後期の血液検査のある、“料金が多く必要”なときに指定されていました。

ダンジ妊娠中は後から1枚だけ追加でもらえたのだけど、上記の2回以外で自由に使えるような説明が病院の壁に貼られていました。

血液もとらないし、エコーでみても赤ちゃんは元気ですね、これならエコーでみるまでもなかったですねとはならないでしょう。

どうしてこうも、助産所での健診を病院での健診と同じような感覚にしたがるのか。


記事内に

『負担を行わない自治体の大半が、昨年1月の厚生労働省通知を“誤解”していたことが分かった』

とあるけど、誤解しているのはどっち?

なによりも、母子の命・安全は?



※妊婦健診受診の補助を“タダ券”と表現していることを不快におもう方もいるかもしれませんが、多分、この感覚が一般的だとおもい、あえて用いました