提訴前のhaccaさんの気持ち

【白花ちゃんの死は避けられたのではないのか?】−お母様が提訴されました。
白花ちゃんのお母さん、haccaさんが昨年の提訴前に、遅々として進まない提訴の準備中に、その苦悩を私に語ってくださっていました。ブログにアップしようとおもっていたのに、今になってしまってごめんなさい。

白花の件は提訴直前となっています。
正確にはいつでも訴訟に移行する準備はできていてその気持ちで一杯だけれど、一歩踏み出せない状態です。

白花が亡くなってもうすぐ3年です。
わけがわからず、件の助産師からはもう終わったこととして扱われて、なす術もないのかと思っていましたが琴子ちゃんのブログと出会いました。
琴子ちゃんのお母さんはじめ、様々な方に支えられながら今に至っています。

助産師会や県医師会、複数の弁護士事務所を訪ねたけれど取り合ってくれるところは本当にない。
助産院でのことというだけで、前例がないからと断る弁護士の方もいらっしゃいます。
白花の件に問題意識を持ってくれた弁護士さんと打ち合わせを行い、膨大な待ち時間に折れそうになりながらも白花の解剖所見の入手や証拠保全助産師への質問書の送付、損害賠償請求、相手方からの回答を経て・・・・そして訴訟の準備へと進んでいます。
自問自答の繰り返しです。この作業は私が白花にしたことはどういうことか噛み締めることでもあります。

助産師からの回答には、何故そんなことを言うのかということが書かれてあって、例えばそれは「持続的な下腹痛、子宮収縮はなかったので早剥は疑っていない」というものであったり、この件での問題点は「インフォームドコンセントが成立していなかったこと」や「家族背景が悪いこと」だと言われたり、終いには「最も誠意ある対応は祈ること」であると助産師は言っています。

これらのことに打ちのめされながら、白花の写真を見ながら、自分がしようとしていることは何なのか考える日々です。

助産師は白花が生まれる数年前に助産師会を退会し、同時に無保険状態でした。
この事実はとても大きい。
公の場で白花が死んだことの責任を問い、どこに問題があったのかを問い、そして償いを求めようとした時に、更に自分の身を痛めなければならない。
子供らを育てていかねばならないから、捨て身になることはできない。
でも、白花の写真をみると・・絶対に助産師にはあの対応には問題があったことを自覚してもらわなければ、って思うんです。
助産師が未だに訴えてくる精神論じゃなくて、助産院や自宅分娩における管理は、異常事態になる可能性をたくさん秘めた「妊娠、分娩」に対応できるものではないんだということを自覚してもらいたいんです。

法廷の場に持っていくためには、行われた介助と死の因果関係を証明しなければなりません。
けれど、胎児心拍の測定の仕方や頻度が論外だったり、確認作業を行っていなかったり、またその状態が何を指す可能性があるのかの正確な予見ができていなかったり、そういうことでは公の場に訴えることが難しい。
私と白花のあの時の正確な状態を示してくれるはずの胎盤も臍帯血も助産師は処分してしまった。そして母体(私)は搬送されなかったから、何が起こったかの検証ができなかった。
白花自身が解剖されることで得られた所見しか、残っていないわけです。

無保険の相手に訴訟を考えねばならなくなって、愕然とはしましたが最終的に自分が欲しているものが何かをよりはっきりさせられる結果になったことを考えると、これにも意味があるといえるかもしれませんが、「二人の命を預かっている」とは口だけで、その母子の救済の道を断ってしまうことに考え至らぬまま強行突破しようとする開業助産師には、無責任さ、思慮のなさを強く感じます。

この先どうなっていくのか、白花と相談しながら、進んでいこうと思います。

白花ちゃんの教えてくれた問題として、頻産婦の問題 − ハッカちゃんのお話から考えるというのもあります。
他にも複数ありますが、提訴中なのであえて控えますが、今回紹介させて頂いたhaccaさんのご意見にもあるように、お願いした助産師が“無保険の可能性”もあるかもしれないという問題です。これは産む前に非常に聞きにくいかもしれませんが、でも、何かあった時のために入る保険、「何もない」と入っていないかもしれませんから、予約をする前にでも「事故があった時に備えて、保険加入はされていますか?」と聞いて欲しいです。聞かれて嫌な顔をしたり、態度を変える助産師ならば、もしかしたら母子よりも大切なものがある助産師なのかもしれません。
産科医療保証制度はあくまでも重度脳性麻痺児のお子さんだけが対象ですから、亡くなった場合は論外です。

是非、分娩場所に助産院・自宅出産を選ばれる際には、その助産師に、賠償保険に加入しているかどうかを確認してください。