出産前に知っておきたい「帝王切開」

先日の当ブログ記事「助産院からの搬送:現状からの改善へ」へコメントくださった皆様のご意見から、帝王切開について是非、これから出産される方に知っていただきたいことだとおもい、記事にして紹介させていただきます。「コメント欄のままじゃん!」と言われてしまいそうですが、当ブログは常に、コメント欄にこそ貴重なご意見がありますので、そのご感想は間違っていません。


kayokoさん

「頼む側」をなくす面から考えますとー
普通分娩が無理と産科医師に診断をされた
妊婦さんに
 帝王切開は赤ちゃんにとっては
 大変安全な出産方法であること。
 帝王切開も立派なお産であること。
 母体への苦痛はそれはあるけれども
 母体にとっても安全でまた安全策を
 とってくださること。
をもっともっと帝王切開経験者として
ひろめなくてはいけないと痛感しました。
(琴子ちゃんの母さんの主題からははづれてしまって
ごめんなさい)

いえ、全然ごめんなさいをいただくような内容ではありません、むしろ、貴重なご意見くださり、ありがとうございました。
私も以前に「赤ちゃんにとっては帝王切開がストレスもなく、一番安全な出産方法だ」という意見を聞いたことがあります。何故私がこのような意見に出会ったかというと、あまり明確には覚えていないのですが、琴子を出産したあと、亡くなってしまった事実に対して、「あんたの息み方が下手だった」と助産師に言われたことが絡んでいたと記憶しています。この話をしていて、そのときに上記の発言を「そうやって聞いたことがある」的に聞いたように記憶しています。狭い産道を通るとき、赤ちゃんにもそれなりにストレスが生じる、という類でした。

次はsuzanさんからです。

うーん。
帝王切開は決して「安全」ではありません。
すべての産科医師は、できたら帝王切開なんかしないで生まれてほしいのです。
でもいろいろな事情で「経膣分娩」(ふつうの下から生むお産)が危険なとき、
「一番危険なことを避けるため」に選ぶのが帝王切開なのです。
帝王切開が赤ちゃんにもお母さんにも無条件に安全なお産、という考え方は間違っていますが、
医師が「帝王切開にしたほうがよい」と考えたお産を
「手術したくないから」と下から生もうとすることは、とてもとても危険だと思います。

帝王切開でも下からのお産でも、世の中に赤ちゃんを出してあげるという意味では同じであり、
どちらも立派なお産であることは間違いなく真実です。
どっちが楽だどっちがえらいではありません。

この後に自分でもコメントを書き込みましたが、suzanさんの仰る
いろいろな事情で「経膣分娩」(ふつうの下から生むお産)が危険なとき、
「一番危険なことを避けるため」に選ぶのが帝王切開なのです。
帝王切開が赤ちゃんにもお母さんにも無条件に安全なお産、という考え方は間違っていますが、
医師が「帝王切開にしたほうがよい」と考えたお産を
「手術したくないから」と下から生もうとすることは、とてもとても危険だと思います。
これは開業助産師の方が守らないといけないはずの、当たり前にあるべきはずの意識だとおもうのです、でもそれが実際には助産師自ら無視しているような事例が私の後にも続いています。医師を見下すような、侮蔑するような発言が健診時にあったというご報告もあります。助産師のHPにも、そのような内容、文言はあります。本当に、この意識が軽視されているという問題を、これから妊娠、出産される方には先に知って欲しいです。子どもが死んだことでこれを知った私のような悲劇、愚かな現実はなくなるべきだし、なくせるはずだとおもっております。

けいさんからのコメントです。

初めてコメントさせていただきます。
主人が産婦人科医です。
出産は三回経験していて、三回とも帝王切開です。
主人の仕事の話はいつも聞いていて、もちろん帝王切開の話も聞いていたので、手術は安全、簡単(他の手術に比べて)だと思っていました。
でも、私の出産の時、なかなか陣痛が来ず、調べてみると児頭骨盤不均等*1でした。帝王切開するかギリギリのラインでしたが、手術するか否かを決めるとき、主人は泣きながら迷っていました。私は、簡単な手術なのになぜそんなに迷うのか?と聞きましたら、いくら安全と言っても、経膣分娩の方が安全に決まってる、と。その時、私はいかに帝王切開、もとより出産を簡単に考えていたか、と気づきました。誘発しても陣痛が全く来なかったことにはちゃんと理由があり、設備の整った病院だったからそのことに気づき、帝王切開してもらえた。息子は病院でなければ生まれてこなかった命です。
その後の二人ももちろん帝王切開です。

そうなんですよね、自然と植えつけられた「帝王切開は楽なお産」という情報ばかりで、こうやって帝王切開について正しく学べる機会や情報がないんですよね。どういう分娩方法になったとしても、それが母子の安全、命を最優先したものであるべきだと願いつつ、でも「100%安全は有り得ない」というのも事実だということを伝えないといけない、あえて大きい声で言わないと、既に浸透しきってしまっている「帝王切開は楽なお産。母親も子どもも楽しているから人格形成にも問題が生じる」 「帝王切開で出産したママは母性が少ないから虐待が多い」というような大問題発言まで引き起こしているというのに。帝王切開への偏見が常識化してしまっていて、帝王切開についての正しい情報が流れて修正されない。

重要なことなので再度。
いろいろな事情で「経膣分娩」(ふつうの下から生むお産)が危険なとき、
「一番危険なことを避けるため」に選ぶのが帝王切開なのです。
帝王切開が赤ちゃんにもお母さんにも無条件に安全なお産、という考え方は間違っていますが、
医師が「帝王切開にしたほうがよい」と考えたお産を
「手術したくないから」と下から生もうとすることは、とてもとても危険だと思います。*2

帝王切開についての正しい情報が浸透していくこと祈っております。

*1:児頭骨盤不均衡(CPD)の誤りかとおもい、リンク先は児頭骨盤不均衡についてとなっております

*2:引用箇所への強調は私琴子の母がしておりますが、強調箇所の色付けなどがプログラムの設定からか、上手くいかない為、9/11に修正しました