胎盤を食べることについて頂いたご意見

先日の当ブログ 胎盤を食べることについて、教えてください。 に頂いたコメントを、より多くの方にご覧頂きたいとおもい、記事としてご紹介します。
また、これからも頂ければ随時、継続した記事として残していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

NATROMさんからです。

健康な胎盤はおそらくは無菌でしょうから、すぐに食べるぶんには細菌感染のリスクはほとんどないと思われます。しかし、血中に含まれるウイルスは感染しうるでしょう。事例があるかどうかは知りませんが、たとえばB型肝炎妊婦からの胎盤には感染力をもつB型肝炎ウイルスが含まれており、経口摂取することで口腔内の傷などから感染する可能性は十分に高いと考えられます。肝炎ウイルスが陰性でも、未知のウイルスが感染するリスクはあります。まともな医療機関では、胎盤素手ではさわりません。必ず手袋をして扱います。

まあ本人だけが食べるのであれば、感染のリスクは無視できると思います。他人が食べるとして、十分に加熱すれば、やはり感染のリスクは無視できると思います。文化的な背景があるならともかく、現代日本でそこまでして胎盤を食べる意味がそれほどあるようには私には思えませんが。また、十分に加熱すれば、ホルモンなどは失活するでしょう。

自分が健康と思っていても、実際は違ったというのはよく聞く話ですし、自分にも十分想像出来るので、健康な胎盤だと信じているだけですよね。文化的背景というのがどうも怪しいんです。「昔は食べていた」って言う人がいるのですが、「いつ、どこで?」となると、記録として日本には残っていなくて、ただ、東北の方では激しい飢饉の影響もあって、食べていたのかもしれないという意見があったのですが、311震災で書籍類が無くなったものもあり、そこに含まれていたようで、今、みつけられないのです。



僻地の産科医さんからです。

そもそも胎盤は膣から出てきます。
破水した場合には膣から上がってくる雑菌の子宮内感染との時間の戦いです。
とても清潔なものとは思えず、私などは想像するだけで気持ち悪いです。
ご自分の帯下をかけた食物を食べたい人がいるのでしょうか?

「ご自分の帯下をかけた食物を食べたい人がいるのでしょうか?」に、多くの女性がオエーッとしたと思うのです。胎盤は見たことない人の方が多いと思うので、想像していても「調理されたレバー」でごまかせてたりすると思うのですね。でも、この帯下をかけた食物なら、簡単に想像できますよね、リアルに。いやぁ、本当、とんでもないことしていますよね、胎盤食べるって。
この僻地の産科医さんからのご意見の後に、再度NATROMさんがご意見くださっています。

>そもそも胎盤は膣から出てきます。

そういえばそうですね。細菌感染リスクもありそうですね。

素人の浅知恵でお恥ずかしいのですが、細菌感染のリスクについてせめてもと思い、URLを張っつけます。もしどなたか、「こっちの方がいいよ」というのがありましたら、教えてください。
ウイルス感染と細菌感染の違い(教えて!goo)
免疫力の低下でリスクが高まる細菌感染症やSTD
※ちょっと脱線しますが、みつけたのでついでに...>新生児期の細菌感染が喘息リスクを増大(2007.10.18掲載)



りすさんからです。

琴子ちゃんのお母様、こんにちは。専門家ではないのにごめんなさい。
胎盤を冷凍して1年後に食べるという方がいらっしゃるとのことですが、ホームフリージングでの保存限度の目安は、加熱調理したもので1か月、生肉なら2週間です。家庭用冷蔵庫は温度が高く、また家庭では保存にあたり完全には脱気・密封できないため、酸化が進みます。1年経ったものは論外です。

私も専門家ではないので、こちらこそすみません。
2週間と1年では、あまりにも差がありますよね。以前にみたブログ(だったと記憶)では、残された胎盤の元の持ち主の子どもが1歳になったときのお祝いにっていうのでした。確か、兄姉もいたような...本当これ、虐待って言っても良いかもしれませんね。この子ども達は将来、親に食べさせてあげた的に言われるでしょうから、どう思うんでしょうかね。恐ろしいです。


tadano--ryさんからです。

そもそも胎盤は医療廃棄物、つまり産業廃棄物扱いですから、たとえ母体から出た瞬間から勝手に処理して他人にふるまうなんてできないはずです。ただ法律を精査した訳ではなく、抜け道はあるかも知れません。

どの都道府県にも「胞衣産汚物取締条例」なるものが存在しています。胞衣は「胎盤、臍帯、卵膜」の総称です。

たとえば京都府の場合ですと、

「医師、歯科医師、獣医師、薬剤師又は助産師が保存、学術の研究又は製薬の目的をもつて特種な方法により胞衣を処置しようとする場合には、第2条の規定にかかわらず許可することがある。」とあります。
http://www.pref.kyoto.jp/reiki/reiki_honbun/aa30004721.html

東京都では

第一条の二 何人も取扱場以外の場所で胞衣及び産汚物を処理してはならない。ただし、次の各号の一に該当する場合は、この限りでない。
一 伝染性疾患の患者について他の法令の規定により処理するとき。
二 医師が学術研究のため、その病院内において処理するとき。
三 取扱業者の収集が遅延した場合その他やむを得ない理由により処理するとき。

第二十七条 第一条の二、第二条、第五条若しくは第十六条の規定に違反し、又は第二十三条若しくは第二十四条の規定に基づいて発する命令若しくは処分に違反した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
http://www.reiki.metro.tokyo.jp/reiki_honbun/g1010892001.html

とあり、助産師が胎盤を処置することがそもそも違法であり、懲役および罰金刑まで定められています。

胎盤を食べさせることがどのような「保存、学術の研究又は製薬の目的」にあたるのでしょうか。都道県知事の許可は得ているんですか?

「そもそも胎盤は医療廃棄物、つまり産業廃棄物扱いですから、たとえ母体から出た瞬間から勝手に処理して他人にふるまうなんてできないはずです。」そうなんです、それは過去にも触れた記憶がありますが、しかし、助産院や自宅出産で開業助産師が扱うケースだけではなく、病院でもふるまわれている事実がネット上で見られます。
Yahoo!の知恵袋にある相談
※「胎盤 食べる 病院」で検索すると、病院からバースプランとして案内されて食べる気になった方もいました。この方のブログだと、その病院の名前もあったので張りたいところでしたが、この方自身が望んでいたわけではなく、勧められる形で食べることを決めているので、この方個人が被害者に見え、URLは控えました。

他に気になったのは、胎盤を食べれることを助産婦さんから初めて聞きました
ここだと、「食べて良いもの」として話がどんどんと流れていますね。それも、何故か少子化と絡めて? 昔話ではなく、まるで“現代だからこそ!”です。
気になるところだらけですが、ありすぎるので紹介しきれません。正直、「食べても良いもの」としてすっかり許されている状態に驚愕します。
tadano--ryさんのご指摘のように、食べて良いどころか、持ち帰ってもいけないはずなのに、実際には持ち帰ることが横行しています。以前に私も厚労省に電話して聞いたことがあるのですが、この異常事態を厚労省自身も把握していないようで、何が問題なのかを理解していただくこともなかったです。ここら辺は再度伺いたいと思っています。



mwhikariさんからです。

琴子ちゃんのお母さん、ご無沙汰しています。
ずっと、拝見していました。
とは言っても、私はここではあまり歓迎されない開業助産師(母乳ケア)ですし、
またすぐにROMに戻ろうと思っていますが、胎盤のことについて少し思うことがあったので出てきてしまいました。ごめんなさい。
私は、胎盤を食べることには反対です。
また、そういうことをさせている助産師にも嫌悪を覚えます。
それは、カルバニズムとかそういうこともありますし、
日本人として全く必要性を感じないからです。
胎盤は胎児由来の組織ですから、お母さんの臓器を食べるのではなく、
赤ちゃんの臓器を食べるということになります。
私としては、この時点でアウトです。
また、胎盤を食べることによって産後の肥立ちや母乳分泌が
仮に良くなるとしたとしても、外敵もいない安心した環境で
家族が食べ物を提供してくれる私たちが、なぜ、胎盤を食べる必要があるのか。
動物が食べるからという理由なら、
お産が終わったらその場で味も付けずに調理などしないで
生でお母さん自身が全部食べてほしいと思います。
「好奇心で」とか「夫や友達も」とか「生姜醤油をつけて」とか
「保存しておいてちょっとずつ食べる」なんて、中途半端で頭に来ます。
と、胎盤を食べさせて、また自らも食べた助産師に向かって
怒りをぶつけたことがありますが、全く通じませんでした。
「何でそんなに怒るの?」っていう顔でした。
私のいる地方でも胞衣塚というのがあって、
昔々はそこに胎盤を埋めるのがお父さんの役割でした。
血やお産をある意味穢れとして大事に扱ってきた日本人なのに、
それこそそこいら中で胎盤を食べていたなどという話になってしまうのは何故なのか、何故それを鵜呑みにしてしまうのか。
同業者として本当に恥ずかしいです。
本当に食べる風習があったのだとしても、
ごく一部(であろう)の話をそれこそ日本中で当たり前に行われてきたように、
思いこんでしまっている助産師が多いということなのですよね。恥ずかしいです。
胎盤を食べさせることに関して、知事の許可を得ているはずありません。
「保存、学術の研究又は製薬の目的」のはずもありません。
本当に軽いです。考えが浅はかだと思います。

ただ、自分の身体から出てきた臓器は、法的には一体誰のものなのでしょうか?
お母さん自身の所有物だとしたら、人に迷惑をかけない限り
(例えば、他人を感染の危険にさらすとか、不快な気持ちにさせるとか)、
自分自身が食べるのは問題ないのかもしれないとも思います。
一頃流行った「飲尿療法」と同じようなことです。
ですので、もし胎盤を食べたいと産婦に希望されたとして、
前述したとおり、自分で全部残らず直ちに平らげるのであれば止めないかもしれません。
胎児由来の臓器なら、新生児のものとも言えます。
そうなれば、お母さんに食べる権利はないと思います。

あと、自分の帯下を口にするのは嫌ですが、
オーラルセックスに抵抗がない夫ならその部分は気にしないのでは?と思いました。
もちろん他人の帯下は細菌感染云々に関わらず問題外ですが。

助産師会でも胎盤の扱いについては注意がなされていますし、
業務指針や会からの出版物にも条例に則った処理をするように明記されています。
なんで、こんな状況なのか。どうすればいいのか、考えていますが、
自分の無力さにもがっかりしています。

いや、私は別に開業助産師さんを敵視しているわけではないです、そこら辺は誤解が生じるのは私にも問題あるとは思いますが、しかし、mwhikariさんのように助産師の方からのコメントは嬉しいことです。許されるのならば、

助産師会でも胎盤の扱いについては注意がなされていますし、
業務指針や会からの出版物にも条例に則った処理をするように明記されています。
なんで、こんな状況なのか。どうすればいいのか、考えていますが、

助産師会に胎盤を食べさせている助産師のいる事実について、一緒に出向いて欲しいくらいです。(結構、本気ですが、どうですか?)
また、多分同じに感じられていると思うのですが、助産院、自宅出産を主に言うと、「洗脳」の問題がこの胎盤食にはありますよね。胎盤を食べる理由として、mwhikariさんが挙げられているように
・産後の肥立が良くなる
・母乳分泌が良くなる
・ホルモンバランスが整う
などがありますが、これはしっかりと科学的に証明されているのでしょうか。と言いつつ、残念なのが、こういうことを信仰する方たちは「科学で証明できることの限界を超えた素晴らしいこと」として自己満足に浸るところがあるので、どんなに伝えようとしても伝わらないどころか、逆に「やっぱり自分は凄い!」と思ってしまうところです。
もし、本当に助産師会に一緒に働きかけることしてくださるようでしたら、いつでもご連絡ください。私はそれまで、とりあえず一人で助産師会に胎盤を食べさせている事実について、問合せをしてみます。もし、助産師会が出している資料があるようでしたら、ネットで得られるものありましたら、教えていただきたいです。
コメント欄かもしくはメールで> kotkoko_831@infoseek.jp
※私もある方からご紹介いただき、栃木県内にまだ胞衣塚が残っているのを知り、見に行きました。墓地の中にきちんとありました。



NATROMさん、僻地の産科医さん、りすさん、tadano--ryさん、mwhikariさん、ありがとうございます。皆さんのご意見伺って、
胎盤は食べてはいけないものだ
と再認識しました。貴重なご意見くださり、ありがとうございます。継続していただけることがありましたら、また是非よろしくお願いいたします。