全くあてにならない“名誉”と“栄光”

どうして私がH助産師を信用したのか。

何度かこのブログでも書いたとおもっているのだけど、H助産所を訪ねた日、居間(兼診察室?)の仏壇の右上辺りに飾られていた表彰状。

確か、厚生省が優良助産師として、H助産師を表彰したもの。

延べ3000人の赤ちゃんをとったということで、優良な助産師として表彰されていた。

「凄いですね」

と、その表彰状について話しが及んだ時に、私が感嘆の声をあげると、H助産師はそれが自分の誇りだという感じで、嬉しそうな顔をしていたことを覚えている。

「昔は年間に100人以上とっていたけど、最近は少子化だなぁ、年間、80人くらいだもんな」

分娩者の年間数が減った理由を高齢としていないことにも、『さすがだなぁ』なんておもっていた。

洗脳っていうやつなのだろうか。

助産師を私に紹介した知人から、「凄い助産師さんだよ」という話をさんざん聞いていたし、県内では有名なカフェ経営者の方の3人のお子さんを全員とったとか、もう一人のちょっと有名なカフェ経営者もその年の春にここで産んでいたりとか、NHKでも神の手として紹介されていたとかって、『H助産師は立派だ!』がたくさん並んでいた。

その状態だからこそ、疑えるという人もいるというのに、私は…


それにしても、随分と適当な資料で表彰をするのだとおもった。

カルテを書いていないこと事態、異常なことだとおもうけど、そもそもカルテを書いているとしても、回収するわけでもないし(助産師会だけじゃなく、医療界全体がそうなのだろうけど)、何を基準に表彰したかといえば、きっとH助産師の自己申告だけでしょう。

助産師会に登録している助産師誰もが『私は3000人とったよ!』と言えば、もしかして表彰してくれちゃうのかしら。

そのうちの何人が元気で生きていて、何人が死産で、何人が新生児死となり、そして何人に後遺症が残ってしまったかなんて、誰も調べてくれないから凄いことだとおもう。


平成15年当時、『助産院で逆子は扱ってはいけないのです』と明言していた助産師会。

でもH助産師は逆子を受けたのは私だけなんかじゃない、もっともっとたくさん受けていた(数々の症例を話していた)。

更には、これから開業しようとしていた助産師に逆子の教育まで勝手にしていた。

そんなH助産師の行為や発言を全く知らず、『この助産師は優秀です』と表彰していたのだ。

私って単純で悲しくなるけど、私はあの表彰状をみて、更にH助産師を信頼したのだ。


助産師は嘘ばかりを述べている。

正しくは、出産前から嘘ばっかりだった。

出産後も、測定していないのに嘘の数値を母子手帳に書いたり、他にもたくさんの嘘ばかりを並べている。

そんな人だなんて、表彰した人たちも知らなかったのだろうけど、よく調べもしなかったのも事実でしょう。


産む時には、“名誉”も“栄光”もどれだけ必要のないモノなのか、よくわかった。

悔しいのは、その引き換えに琴子の命を奪われたこと。

もう誰のことも信用しないから、琴子の命を返して欲しい。

こんなことを言ってしまう私を、もしかしたら琴子は

「お母さん、後ろ向き過ぎ!」

と言って、悲しんでいるかもしれない。

だから、あまりこういうことは言わないようにしたい。

ただ、琴子の死は無駄にしたくない。

表彰されているからといって、必ずしも正しい助産師だとは言えない。